研究者総覧

井澤 信三 イサワ シンゾウ

所属部署障害科学コース
職名教授
メールアドレス
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生年月日
Last Updated :2025/04/12

研究者情報

学位

  • 博士(教育学)(東京学芸大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • 特別支援教育   発達障害臨床心理学   応用行動分析学   

研究分野

  • 人文・社会 / 特別支援教育
  • 人文・社会 / 臨床心理学
  • 人文・社会 / 教育心理学

学歴

  • 1996年04月 - 1999年03月   東京学芸大学大学院   連合学校教育学研究科(博士課程)   発達支援講座
  • 1993年04月 - 1995年03月   東京学芸大学大学院   教育学研究科(修士課程)   障害児教育専攻
  • 1989年04月 - 1993年03月   東京学芸大学   教育学部   障害児教育学科

所属学協会

  • Association for Behavior Analysis International   日本認知・行動療法学会   日本発達障害学会   日本発達心理学会   日本教育心理学会   日本行動分析学会   日本特殊教育学会   日本LD学会   

研究活動情報

論文

書籍

講演・口頭発表等

  • The Effect of Behavioral Social Skills Training on Social Skills Related to Employment by an Autistic Adolescent  [通常講演]
    YAMAMOTO Shinya; ISAWA Shinzo
    11th Annual Autism Conference. (Puerto Rico) 2017年
  • Behavioral Intervention to Bring the Completing Tasks to a Student With Autism Spectrum Disorder  [通常講演]
    ISAWA Shinzo
    11th Annual Autism Conference. (Puerto Rico) 2017年
  • The effects of a script-fading procedure to promote reply behaviors and novel behaviors in social interaction among children with autism  [通常講演]
    YAMAMOTO Shinya; ISAWA Shinzo
    ABAI 8th International Conference. (Kyoto) 2015年
  • Acquisition of Social Skills Required in Work Settings by the Combination of Basic Social Skills Training (SST) and Simulation Training for Persons With High Functioning Pervasive Developmental Disorder (HFPDD)  [通常講演]
    2012 Autism Conference (Philadelphia) 2012年 ポスター発表
  • Behavioral Consultation about an Autsitic Student with a Behavior Problem in the Special Class  [通常講演]
    ABA 5th International Conference(Oslo) 2009年 ポスター発表
  • Behavioral Intervention on Impulsive Behavior for a Child with Autism  [通常講演]
    ABA 4th International Conference(at Sydney) 2007年 ポスター発表
  • Behavioral Intervention based on Ecological Inventory to Self-injury of Person with Autism in Home-Setting  [通常講演]
    2007 Autism Conference (at Boston) 2007年 ポスター発表
  • Effect of coaching to promote the appropriate of self-evaluation and Social skills in a child with Autism  [通常講演]
    3th International ABA (at Beijing) 2005年 ポスター発表
  • Acquisition of social skills to solve the problem situation in a child with autism  [通常講演]
    30th Annual ABA Convention (at Boston) 2004年 ポスター発表

MISC

受賞

  • 一般社団法人 認知・行動療法学会 内山記念賞
     
    受賞者: 平生尚之;稲葉綾乃;井澤信三

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 岡村 章司; 井澤 信三
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 井澤 信三; 岡村 章司
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 岡村 章司; 井澤 信三
     
    本研究では、幼稚園、小学校、特別支援学校の教師を対象とし、行動問題を示す自閉症児を含む発達障害児の保護者支援に関する研修プログラムを開発した。保護者とのコミュニケーションスキル研修、家庭で保護者が子どもに適切な行動を教えることを促す行動問題の予防研修、学校における行動問題の問題解決研修、教師が保護者による支援を支えるための、家庭における行動問題の問題解決研修を実施し、効果が確認された。子どもの成果に加えて、保護者と教師の関係性や保護者自身の変化も示すことができた。プログラムを学校現場に広く適用していくために、学校組織としての保護者参画の具体的なシステムモデルを示す必要があると考える。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 井澤 信三; 岡村 章司
     
    本研究では、以下の4点について実施した。①知的障害特別支援学校高等部におけるASD(Autism Spectrum Disorder)、ADHD(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder)、mID(mild Intellectual Disability)等のある生徒が示す行動問題に関する研究レビュー:知的障害特別支援学校高等部におけるASD、ADHD、mID等のある生徒の生徒指導上の課題と現状についての先行研究のレビューを行った。そのレビューでは、特別支援学校における生徒指導上の課題とその対応例として、「不登校」と「異性とのつきあい、性的な問題」に焦点を当て、一次的支援(学校全体・学年全体での通常の授業や日常的な関わりの中での支援)、二次的支援(個別的な課題に対応した小集団における支援)、三次的支援 (個別的な喫緊の課題に対応した個別的な問題解決的支援) といった階層の必要性を指摘した。②知的障害特別支援学校高等部における生徒指導に関する聞き取りによる実態調査:高等特別支援学校(知的障害)2校において、関係教員からの生徒指導の現状と課題についての聞き取りを行った。その聞き取りの結果からも、日頃の授業における生徒への指導・支援の充実と個別的な問題解決的支援の必要性が示唆された。③国内における先進的な学校等への視察調査:これは学校との日程調整がつかず、実施に至らなかった。④海外の特別支援学校等における学校全体における階層性モデル(SWPBS)の情報収集:オハイオ州コロンバス(Winterset elementary school , Hamilton STEM Academy, Haugland Learning Center)への視察訪問を実施し、聞き取りをもとに、それらについて資料の整理・分析を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 霜田 浩信; 井澤 信三; 五十嵐 一徳; 太田 研; 五味 洋一
     
    本研究では知的障害児・発達障害児が自らの行動を自己モニタリング・自己評価できるための条件検討を踏まえ、学校教育実践における自己モニタリングによる適応行動獲得プログラムを提案することを目的とした。その結果、自己モニタリング・自己評価を通して適応行動を獲得するためには、①明確な達成目標、②目標に向けた適切な方法が示され、③それら①②に照らし合わせた評価の機会と④適切な評価のための修正機会が必要であることが明らかになった。また、自らの行動を自己モニタリングし、自己評価する際に、動画視聴は有効なツールになるが、目標とする行動とその評価規準を事前に対象児に獲得させる必要があることが明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 岡村 章司; 井澤 信三; 大脇 知子; 迫 あかね; 名村 嘉将; 森 一晃; 岸本 史保里
     
    行動問題を示す自閉症児の保護者支援を「療育支援」と「保護者自身への支援」の2つの観点から整理し、統合化した保護者支援プログラムを開発することを目的とした。本研究の結果、保護者の実態、自閉症児の行動問題の程度に応じた、主体的な療育を促す5つの支援アプローチが以下に示された。①学校での指導を充実させるための保護者連携、②保護者による行動問題の予防的介入、③保護者による行動問題への機能的アセスメントに基づく積極的介入、④保護者自身の課題に対するメンタルヘルス支援、⑤ ③と④の統合型支援。さらに、各アプローチを小学校、特別支援学校において適用した結果、親子両方への効果を明らかにすることができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 加藤 哲文; 若林 上総; 井澤 信三; 松岡 勝彦; 村中 智彦
     
    特別な支援を要する児童生徒の行動問題への機能的アセスメントアプローチの活用として、特別支援学校及び通常の学級の担任教員に対して、指導者研修プログラムを開発するための実践的研究を行った。まず、簡易型機能的アセスメントツールを作成し、それを用いるための使用マニュアルも作成した。それらを用いて2年間にわたり、教員を対象とした研修プログラムを開発し実施した。そしてこのプログラムの効果を検証するために、参加教員の機能的アセスメントの知識、行動支援計画作成のための技能の習得度を査定した。その結果、全ての参加教員において研修プログラムの効果(研修前後、及び事後の追跡調査)が示された。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2014年 -2016年 
    代表者 : 井澤 信三
     
    自閉症スペクトラム児・者に対する包括的・生涯的支援プログラムの地域モデルとして、一次的支援:家庭・学校等における直接的支援、二次的支援:地域の支援リソースによる直接的(本人)・間接的支援(教員・家族等)、三次的支援:三次的な専門機関による支援(レベル1:グループを対象とした社会的コミュニケーション等の中核的領域への直接的支援、レベル2:個別的な発達的課題に応じた個別的な直接的支援、レベル3:教員・家族等への間接的支援)といった階層性が考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 霜田 浩信; 井澤 信三; 星野 常夫
     
    本研究は,地域の学校における学生ボランティアへのニーズと学生ボランティアが抱える課題を明らかにし、地域の学校のニーズに応えられる学生派遣システムを考案することを目的とした。その結果、教育現場は、学生ボランティアに対し通常学級での学習活動への支援だけでなく、特別な支援が必要な児童生徒への対応も求めていることが分かった。一方、学生ボランティア達は支援の必要な児童生徒への気づきはあるものの、具体的にどのように関わったら良いか分からずにいることが明らかになった。そこで、教育現場へボランティアとして出かける際に参考となる「学校ボランティアハンドブック」を作成した。このハンドブックの効果を検証することに基づいて、学生が学校にでかける際の不安・課題の解消と関わり方に関する知識・技能の向上のための派遣システムのポイントを検討した。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(基盤研究(C))
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 井澤 信三; 霜田 浩信
     
    研究(1):HFPDD 青年における社会的コミュニケーション行動支援に関する文献的検討:指導研究タイプは、(a)グループ対象タイプ、(b)代替行動指導タイプ、(c)具体的な状況に特化した個別的タイプ、の3 つに分類できた。 研究(2):HFPDD 青年における社会的コミュニケーション行動の困難性の調査:当事者と保護者ともに困難性の高いと評価した項目は「相手の話をさえぎらずに話に入る」「友だちを遊びに誘う」等があった。 研究(3):HFPDD 青年における問題解決に向けた準備的支援・指導プログラム(大学入学準備、就職準備、消費者スキル・外食マナー)の効果と課題が明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 宇野 宏幸; 井澤 信三; 小島 道生
     
    小学校通常学級に在籍する発達障害児の行動特徴について、担任教師が学校生活での具体的なエピソードから評価するチェックリスト開発をおこなった。発達障害児のデータを対象として、項目分析、クラスター分析などを実施し、尺度としての妥当性・信頼性の検証をおこなった後、社会的学習など計6 カテゴリーの質問紙を作成した。また、通常学級サンプルから、各カテゴリー得点について性別と学年( 低学年、高学年)ごとのパーセンタイル換算表を作成した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 武蔵 博文; 平川 毅彦; 小林 真; 水内 豊和; 高畑 庄蔵; 井澤 信三
     
    本研究では、社会的関係の障害や行動上の問題を有する発達障害児者を対象として、支援ツールによる支援により、地域での生活を向上させることをねらいとしてきた。 「課題1:連携の基盤作りとして、本人の支援ニーズと生活環境に応じた支援ツール群の適用・評価法の検討」では、本人の支援ニーズと生活環境に応じた支援ツール群の適用を検討するために、子どもに設定した支援目標と作成した支援ツールの関係、子どものもつ基本的技能のアセスメントとその活用、目標の設定および支援ツールの作成とその支援結果に対する保護者の主観的評価の関係について検討した。目標設定に関しては、ワークシートを活用することで、実用度の高い支援目標が設定できることが示された。子どもが支援において活用できる能力の評価に関しては、こうした観点からの評価がこれまでになく、項目の整理をすることに留まった。今後は項目の精選をすすめて、評価の尺度化をめざしたい。 「課題2:支援ツール・システムを普及するための研修体制の実用化とその後の協働関係の構築」では、保護者を対象とする支援ツール教室、支援学校教員を対象とする教員研修を行い、研修教材を開発し、支援ツール集を引き続き作成した。その結果、保護者の場合は、発達障害児に対する支援を初発して、それを展開していくために、グループワークや実物提示が大きく影響した。教員の場合には、個別の指導計画を実現するために、それまで使われていた、あるいは同僚が使用していた支援ツールを追試あるいは改良する方法が多くとられた。こうした実施上の留意点を盛り込んだ研修プログラムの実用化を進めることができた。 支援ツールを学ぶためのWebサイト(http://speedu.edu.u-toyama.ac.jp/supporttool/index.html)を構築して、その運用を開始した。そのコンテンツの充実を図りつつある。今後は、Webサイト間の連動を図りたい。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(若手研究(B))
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 井澤 信三
     
    前年度の研究より,行動障害支援マニュアルは,(1)行動障害アセスメントシート[(1)行動問題のアナログ記録シート,(2)行動問題のMASシート(Motivation Assessment Scale, Durand & Crimmins, 1992)]+(2)行動障害支援方略シート+(3)評価のための行動記録シートから構成された。本年度は,その行動障害支援マニュアルによる効果を検討するために,以下の2つの研究を実施した。【研究I:福祉現場における行動障害支援マニュアルの効果(事例的検討)】福祉現場における自閉症成人における行動障害に対し,その指導者を対象とした行動障害支援マニュアルの教示および指導者による記録および支援行動へのフィードバックを随時実施しながら,その効果を検討した。その結果,行動障害の低減につながった。しかし,行動障害支援マニュアルに加えて,相当(時間・経費等のコスト的に)のコンサルテーションが必要となったことが課題とされた。【研究II:保育現場における行動障害支援マニュアルの効果(研修会方式による検討)】保育現場において実際に自閉症児における行動障害に対応する指導者に対し,行動障害支援マニュアルに関する講義および演習(各回2時間×4回)を実施し,その後,月1回程度のコンサルテーションによるフィードバックも実施した。行動障害の低減,他の子どもへの波及効果,指導者が主体となった新たな支援実践の増加,行動論的知識の増加(KBPACの得点増)などが示された。以上のことより,行動障害支援マニュアルの効果が実証できた。事例の特異性や重篤性が高い場合,支援環境の制限等が大きい場合にはコンサルテーションの必要性も加えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 宇野 宏幸; 井澤 信三; 小島 道生
     
    小学校の通常学級において、行動上に問題のある子どもの「見立て」を支援するための行動チェックリストの開発を進めている。今年度は質問紙に新たな項目を追加するとともに、信頼性を検討する過程で4つの項目を1ユニットとして考え、これらユニットのグルーピングについて吟味した。調査対象:通常学級1・2年の担任、およびADHD児あるいは広汎性発達障害(PDD)児を1・2年で担任しているか、過去に担任していた教師。行動チェックリスト:具体的な行動特徴101項目について、「ある」・「ない」の2件法で評定を求めた。行動評定尺度:ADHD-RS-IV-JとASSQ-Rへの回答を求めた。対象群:分析は男子のみを対象とした。識別力:各項目についてADHD-健常群間、PDD-健常群問でφ係数を求めグループ間弁別の指標とした。ユニット化:ADHD群とPDD群を対象に、階層的クラスター分析をおこない項目間の類似度を求め、類似した4つの項目を1つのカテゴリーとしてまとめた。内的一貫性:設定した各カテゴリーについてα係数を求め、これが0.7以上であった10カテゴリーを「ユニット」として採用した。グループ化:各ユニットについて、「ある」と回答した項目の数をカウントして、0〜3点に得点化した。10個のユニットについて因子分析をしたところ、3つの因子が抽出された。第I因子は『自己制御』、第II因子は『社会的学習』、第III因子は『注意』と関連性のあるものと考えられた。因子間相関係数は、『自己制御』-『社会的学習』間が0.599、『社会的学習』-『注意』間が0.514、『自己制御』-『注意』間が0.491であった。判別的妥当性:抽出された因子によってADHD群とPDD群の判別分析をおこない、その結果をADHD-RSならびにASSQ-Rの得点を使用した場合と比較した。それぞれの全体の判別率は65.1%と72.0%であり、因子の得点を利用した場合にやや判別率が低かった。特にADHD群をPDD群と誤判別する割合が相対的に高い傾向にあった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 武蔵 博文; 古川 政明; 小林 真; 高畑 庄蔵; 小塩 允護; 井澤 信三; 平川 毅彦
     
    本研究では、社会的関係の障害や行動上の問題を有する発達障害児者を対象として、(1)地域生活への移行を促進するために、一人ひとりのニーズに応じた支援ツールを開発・評価し支援を実行する方法について検討した。個々の認知発達レベルを評価し、加えて、対象者が生活する環境条件をアセスメントするために「実態把握アンケート」「目標設定ワークシート」を作成した。それをもとに、支援ツールを作成・実行し結果をまとめるための「支援ツール作成アイデアシート」「支援ツール提案シート」を作成した。こうしたシートを関連づけて使用することで、対象者に応じた支援ツールによる支援が可能になると考える。 (2)家族や地域の人、サービス提供者のニーズや障壁を捉えて、継続的に支援を提供していける支援システムを開発・実行して、継続的な評価を行う方法について検討した。事例報告の形で、移行をスムーズに行うための人的環境の整備、支援ツール及びその所産を引き継ぐ体制づくりについてまとめた。現実には、支援者・保護者の価値基準や主観的判断に左右される部分があり、些細な環境変化(物理的、人的)に対する個々の対象者の適応の違いがあった。引き継ぐための条件をある程度明らかにするにとどまった。 (3)障害のある人とその家族が地域社会で共生していくために、支援ツール・システムの定着・普及を図る研修支援体制・バックアップ体制のあり方、その有効性を検討した。支援者・保護者を対象とした「支援ツール教室」「サポートブック教室」「パーソナルサポータースクール」を試行し、支援ツール・システムを効率的に学んで適用できる研修支援体制を検討した。支援者・保護者同士の話し合いによるピアサポート、支援ツールを模擬的に作成し使用する実習、体験発表を伴ったワークショップ等により構成した。今後研修支援プログラムをパッケージ化するとともに、インターネット等を活用したバックアップ体制の構築する。支援教室は、親の会、支援センターとタイアップして、今後も継続的にサービスとして提供していく予定である。
  • 文部科学省:科学研究費補助金(若手研究(B))
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 井澤 信三
     
    昨年度に実施した研究Iにおける今後の課題は、1.「ルール」制御を成立させるための指導技法についてさらに検討する必要性があること、2.日常場面における般化の成立のための条件の検討、の2点であった。今年度に実施した研究IIでは、その研究課題を検討した。本研究では、自閉症児に対して問題状況を解決するための技能を「ルール制御」によって指導し、その獲得と般化について検討することを目的とした。本研究の特色は、生態学的調査によって標的行動を選定すること、および指導技法として「ルール制御」をより効果的なものにするためにモデル・ビデオを使用したこと、であった。指導では、「○○(場所名)に行って、□□(物品名)をとってきてください」といった言語指示を与え、事前の調査より明らかにした「未知刺激」と「既知刺激」の4つの組み合わせ(即ち、(a)「既知」+「既知」,(b)「既知」+「未知」,(c)「未知」+「既知」,(d)「未知」+「未知」)を課題の条件とした。「ルール制御」が確立する可能性を高めるために、(1)図式化した「約束(ルール)カード」の提示および説明、(2)モデル・ビデオ視聴による「ルール」の確認、(3)行動リハーサルを実施した。問題解決技能として、標的行動は「教示要求行動(1)(指示提示直後)」「教示要求行動(2)(指示遂行途中)」「(指示者に対する)報告行動」の3タイプとした。指導の結果、標的行動を使用した問題状況への対処が可能となり、特に、「教示要求行動(1)」の使用が多かった。また、学校場面における般化エピソードでは、実際に標的行動が生起したことが示された。考察では、「ルール制御」による指導法の有効性とその問題点について考察された。研究I(平成14年度)および研究II(平成15年度)により、高機能自閉症児における「ルール制御」による社会的行動支援の有効性について示すことができたと考えられる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2002年 
    代表者 : 今塩屋 隼男; 郷間 英世; 小西 賢三; 沖田 庸嵩; 井澤 信三
     
    本研究は、自閉症児・者における人の顔認知機能について、近年研究が進められている「顔に特異に増強する事象関連電位(顔関連電位)」を用いて、精神生理学的立場からその処理機能を時系列を追って検討することにあった。 初年度にあたる平成12年度は、自閉症児・者のための最適測定条件の検討を健常者を対象として行った。この基礎研究で得られた方法を用いて、幼児(4歳児)〜成人を対象とした発達的検討を行った。その結果、(1)顔関連電位のN170成分は、4歳児の段階で明瞭とは言えないがすでに観察され、加齢とともに潜時の短縮と振幅の増加が生じること、(2)児童期以前には顔の既知性判断に関するN270成分が未成熟の状態にあることが明らかとなった。平成13、14年度は、自閉症者の顔関連電位の測定を行い、上記の発達的データを基に検討した。その結果、顔関連電位のN170成分については、自閉症者の場合にもその成分は惹起されたが、人の顔とそれ以外の刺激が明瞭に分離されない傾向があった。また、T5とT6の振幅の分析から、自閉症者は左右の視覚野の機能分化が十分になされていない可能性が示唆された。顔の既知性に関係するN270成分の分析から、自閉症者は、顔認識ユニットの活性化過程段階で何らかの処理困難をきたしていることも示唆された。これらの結果を基に、自閉症・児の対人相互交渉の困難性を克服する方法についても初期的な検討を加えた。 今後本研究をさらに進め、自閉症をはじめとする種々の発達遅滞児・者の顔認知機能を、顔関連電位を用いて他覚的に検査できる方法の開発を試みる。さらに、彼らの対人相互交渉の困難性を克服する方法についても検討を加える計画である。

委員歴

  • 2018年 - 現在   日本特殊教育学会   理事・編集委員長(特殊教育学研究)
  • - 現在   日本発達障害学会   理事・常任編集委員(発達障害研究)   日本発達障害学会
  • - 現在   日本行動分析学会   理事・編集委員(行動分析学研究)   日本行動分析学会
  • 2018年 - 2024年   日本LD学会   常任編集委員(LD研究)
  • - 2018年   日本教育心理学会   教育心理学年報・編集委員

その他のリンク

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