研究者総覧

森広 浩一郎 モリヒロ コウイチロウ

所属部署生活・健康・情報系教育コース
職名教授
メールアドレス
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生年月日
Last Updated :2025/04/12

研究者情報

学位

  • 教育学修士(東京学芸大学)
  • 博士(工学)(姫路工業大学)

J-Global ID

プロフィール

  • 学習や教育を支援するシステムをコンピュータ・ネットワーク上に構築する方法と,そのようなシステムを用いた教育実践について研究している.教育・学習に関する考え方や支援の方法等を実装に必要な段階まで明確化していく活動を通して,教員の教育・学習支援の振り返りや,授業の改善にもつなげていきたい.

研究分野

  • 人文・社会 / 教育工学

経歴

  • 2015年04月 - 現在  兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授
  • 2007年04月 - 2015年03月  兵庫教育大学大学院学校教育研究科准教授
  • 2005年04月 - 2007年03月  兵庫教育大学大学院学校教育研究科助教授
  • 2004年04月 - 2005年03月  兵庫教育大学学校教育学部助教授
  • 2000年04月 - 2004年03月  兵庫教育大学学校教育学部講師
  • 1996年07月 - 2000年03月  兵庫教育大学情報処理センター講師
  • 1993年12月 - 1996年06月  兵庫教育大学学校教育研究センター助手

学歴

  •         - 2008年09月   姫路工業大学   大学院工学研究科   博士後期課程修了
  •         - 1993年11月   大阪大学   大学院工学研究科   博士後期課程中退
  •         - 1991年03月   東京学芸大学   大学院教育学研究科   修士課程修了
  •         - 1989年03月   東京学芸大学   教育学部   卒業

所属学協会

  • 日本教育工学会   

研究活動情報

論文

講演・口頭発表等

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 森廣 浩一郎; 川上 永子; 掛川 淳一; 小川 修史
     
    学びの個別最適化などに向けた,教育のデジタルトランスフォーメーションが期待されている.学校における学習のプロセスでも様々なテキストデータは残されるが,これまでの教育では十分に活用されないことも多かった.本研究では,一見マイニングに適さない学習関連のテキストデータから,学びに対する支援の実現に向けた学習者の特徴的な情報の抽出とその活用について検討する.申請者らが実践研究してきた,単語・文法の誤りや誤字・脱字などを多く含む小学生が書いた文書からのテキストマイニングで抽出された情報の教育活用を発展させ,模擬患者とコミュニケーションをとる作業療法士を目指す学生による口頭対話のテキストデータからテキストマイニングにより具体的な特徴表現を抽出し,学習支援実現に向けて活用する. 令和3年度は研究実施計画に従い,本研究助成を受けた高速ネットワークを整備し,端末を兵庫教育大学と四條畷学園大学に設置し,データを収集・分析する環境の構築した.これは,新型コロナウイルス感染症対策とされた授業オンライン化などの影響を受けて,計算機資源ならびに通信容量などについて逼迫した状況となり増強を余儀なくされたことへの対応である.この環境を用いて,着想を得た先行研究に関する補充的分析を実施し,本研究の基盤としても適切なことを確認した.その上で,本研究に関する教育実践データの分析を実施して論文を投稿した.また,次年度の研究に向けて新たな教育実践データの収集を実施した. 本年度は,昨年度収集した教育実践データの分析を実施する.テキストマイニングの対象とする口頭対話のテキストデータが日本語として正確な文ばかりではないことを考慮して,N-gramを用いて特徴表現を抽出する.抽出された特徴表現の教育活用として,大学教員の指導方法改善や大学生の自己学習支援などを目指す.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 永田 智子; 加藤 久恵; 徳島 祐彌; 奥村 好美; 阪上 弘彬; 森廣 浩一郎; 森山 潤; 小川 修史; 清水 優菜; 山下 義史
     
    Society5.0時代に向け,初等中等教育おいては,EdTech活用が求められている.本研究では,①個別最適化を実現するためのツールとしてeポートフォリオシステムの開発,②教科の基礎基本の定着や深い学びのための学習者用デジタル教科書の活用モデルの開発,③eポートフォリオやデジタル教科書の活用を含め教師のICT活用指導力を育成するための教員養成プログラムの開発,①~③を包括して初等中等教育におけるEdTech活用を推進する教員養成システムとして研究を進める. ①に関して,1年目(2021年度)は,eポートフォリオ(EP)システム開発チームが,EPシステムの先行研究を踏まえたうえで,EPシステムのプロトタイプの仕様を開発した.実装にあたっては,兵庫教育大学教職大学院のeポートフォリオシステムの開発・運用経験のある(株)アルベッジに協力を依頼した. ②に関して,1年目(2021年度)は,全国の初等中等学校教員を対象に,デジタル教科書(DT)活用モデル開発チームが,デジタル教科書に関する意識や実態についてアンケート調査を行った.調査にあたっては,デジタル教科書を開発している(株)東京書籍の協力を得た.調査結果は,日本教育工学会2021 年秋季全国大会で「学習者用デジタル教科書の使用希求と教師要因の関連」発表し,また,日本教育メディア学会に「学習者用デジタル教科書の機能に対する教員の期待感の構造-活用研修のデザインに向けて―」という論文を投稿し,採択された. ③に関して,1年目(2021年度)は,教員養成EdTech(ET)プログラム開発チームが,学部生の意識やICT活用指導力の実態調査を行った.調査結果は,兵庫教育大学紀要に「教員養成大学学部生のICT活用指導に対する自信形成の実態把握-兵庫教育大学学校教育学部2021年度1・2年生対象調査を通して-」という論文として発表した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 山崎 宣次; 森廣 浩一郎
     
    児童の学習や生活の評価に関する観点と,教員が表現する語彙は一体的と考え,所見や「よいこと見つけ」から抽出した特徴単語を用いて,評価観点の偏りとその解消への気づきを促す支援の実現可能性を検討することで、教員の評価についての力量形成がなされると考えた. 所見から効率的で簡明に特徴単語が抽出できる提案手法について比較検証し、提案手法が既存手法と遜色ない特徴単語を抽出できることがわかった.また,提案手法による特徴単語を教員に提示することで,所見記述の固定化を避けられるだけでなく,記述の語彙のレパートリを増やす可能性が示唆された.このことで,評価項目の固定化が解消され,教員の評価力量形成が期待される.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2016年03月 
    代表者 : 永田 智子; 森廣 浩一郎; 掛川 淳一; 小川 修史; 赤松 純子; 山本 奈美; 鈴木 洋子; 榊原 典子; 田中 宏子; 矢野 由起; 鈴木 真由子; 野田 文子
     
    本研究の目的は家庭科教師のための授業研究パッケージを開発することである.まず小学校や中学校,高等学校で実践された家庭科授業をビデオ撮影し,編集した.次に,動画共有システムとしてVISCOを利用することとし,本研究用に設定した.VISCOはインターネットを通じて複数の参加者のコメントが共有されるシステムである.そして,編集された家庭科授業ビデオに,教員養成系大学・学部で家庭科教育に携わる研究者が分担して,VISCOを使って優れた点や課題・助言,解説等のコメントを付与した.VISCOと家庭科授業ビデオをDVDにパッケージ化した教材を作成し,家庭科教員らに配布した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 森廣 浩一郎; 掛川 淳一; 小川 修史
     
    本研究は,児童について教員が分析を行い,コメントを記入するという形でフィードバックする教育実践を対象としている.その中で,各教員に応じた支援を実現するテキストマイニング等の活用方法について検討することが研究目的である. 教職経験を積み何度も所見を記述していると,パターンが固定化して単語のレパートリが広がらず,偏りが生じやすくなる.このような記述の偏りとして,他の教員と比較して特に多用しがちな特徴的な単語がある.テキストマイニングを用いた所見の教員間比較から特徴単語を抽出し,現職教員に対する実験を実施したところ,特徴単語の活用が所見記述を支援することが示唆された.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 松井 伸之; 礒川 悌次郎; 西村 治彦; 上浦 尚武; 森広 浩一郎; ペパー フェルディナンド
     
    創造知(創造的思考)の工学的創出をめざして、ノイズおよび時間遅れなど、非局所性時間機構や形態構造が従来のニューラルネットワーク情報処理にどのような情報処理機能を創発しうるのかを、システムの多元数化や量子描像記述がもたらす効能を検討するとともに、精査した。その結果、確率共鳴型複素数値化モデルや量子回路対応モデルなど、創造知として記述可能な計算知能モデルの提案および画像処理支援システム応用などの成果を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 鈴木 真理子; 永田 智子; 鈴木 秀之; 西森 年寿; 望月 俊男; 笠井 俊信; 中原 淳; 森広 浩一郎
     
    平成18年度の研究は以下のように展開した. (1)平成17年度の成果を国内外で発表し,コメントを平成18年度研究にフィードバックした. (2)平成17年度研究の形成的評価から教授学習システムの再デザインとCSCL環境の改善を行った. (3)平成18年度研究での使用に向けたCSCL発言データ分析システムを改善した. (4)システム環境を調べるため,フィールドで運用テストを実施した. (5)運用テストの結果を受け,平成18年度研究を展開(授業デザイン・授業実践・授業評価)した. (6)平成18年度研究を評価した. (7)平成14年度一平成18年度の研究の総括を行った. 注)【平成14年度採択課題名】科学系実験授業において学習者の知識の再構築を促すCSCLの研究 【平成15-16年度採択課題名】科学系実験・実習授業における学習者のリフレクション活動を促すCSCLの研究
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2004年 -2005年 
    代表者 : 正司 和彦; 長瀬 久明; 森広 浩一郎; 岡田 雅樹; 掛川 淳一
     
    最近接発達領域論に基づき子どもの学習活動について考察して思考の発達と知識獲得を促す知の交流のあり方を明らかにした。また,正統的周辺参加論に基づき学習と発達のダイナミズムを考察し,認識の基礎や追求を扱う教科学習および認識の総合を扱う総合的学習の単元レベルの授業設計について検討した。さらに,知の交流を行うためのコミュニケーション用サーバ機と学習情報蓄積のための学習情報用DBサーバ機から構成される協調学習環境システムの開発を行った。学習者がタグを付加、削除する活動と、クライアントマシンが学習情報を結合するなどの処理を行うメカニズムはHTMLとJavaScriptを用いた。DBサーバ機側にはFileMakerとWebCompanionを用いた。また,比較的柔軟な枠組をもつXMLを採用し、学習情報や学習履歴情報を表現する枠組や、SVGを利用した相互作用の可視化ツールについて検討と試作を行なった。相互作用の中での言語運用について振り返りを支援するように、話し合いで利用したメタ情報を抽出し、構造化表示にするようなツールについても考察を行なった。 これらの成果に基づいて授業計画を行った。具体的には,小学校の総合的な学習の時間,国語と算数,中学校の技術・家庭科と社会科地理について単元開発,協調学習環境システム開発を行った。それぞれの授業については,教科内容を子どもの認知に基づいたスキーマ構造によって教材化してワークシートと学習環境システムのインタフェースの開発などを行い,相互作用機能としてつなぎ言葉とメタ情報を組み込んでシステムを実装して授業実践を行った。 また,2年間の本研究期間中に行った授業実践について,授業実践記録およびこれに基づく授業分析などをデータベース化した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 鈴木 真理子; 鈴木 秀之; 永田 智子; 笠井 俊信; 西森 年寿; 望月 俊男; 森広 浩一郎; 中原 淳
     
    (1)WebベースのCSCL環境:科学系実験・実習授業に関する大学生の意識調査結果(山際ほか2003)と「平成14年度の研究」の形成的評価をもとに,本研究では西森ら(2003)によって開発されたe-Learning環境構築支援システム「exCampus」を用いて,「eMATE」と呼ばれるCSCL環境を設計し利用した. (2)CSCL発言データ分析システム:授業実践者が学習者の知識構造の変容過程を分析するために,eeMATEの発言データを量的・質的に分析するシステムを開発した(笠井ほか2003).本分析システムはCSCLの発言データを分析するために,「知識カテゴリー」「発言意図カテゴリー」「該当知識」の3つの観点を用意し,それぞれの観点にいくつかのカテゴリーを独自に設定することができる. (3)授業の開発と評価:学習者のリフレクションを促すために,eMATEを組み込んだ実験授業をデザインした.授業を実施し,評価した.評価の際,分析システムを利用した.授業デザイン,授業実施,授業評価,という実践研究を2年度に渡り3回繰り返した.実践の特徴は,1)受講生自身が実験活動をデザインして実施し,その結果をリフレクションするという「思考と活動の循環」を授業に組み込んでいる点,(2)専門家に適宜異なったタイプの参加をしてもらった点にある. (4)CSCL環境を組み込んだ科学系実験・実習授業の教授学習システム要件:実験活動を取り入れた授業において,(1)CSCL環境を利用した学習者主体の思考と活動の循環に,(2)受講生の実態を把握した上での専門家の講義や専門家からのアドバイスを組み込むことによって,受講生が,(1)授業中の実験活動を肯定的にとらえ(SUZUKI et al. 2004),(2)実験が成功する上で必要となる技能的知識に科学的知識を関連づけられるようになる(SUZUKI et al. in press).
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 正司 和彦; 森広 浩一郎; 長瀬 久明
     
    本研究では,子どもが自ら探求して共同で知識を創り出していける新しい授業づくりと学習指導法を明らかにした。この授業で用いる学習環境システムの開発に関しては,動的リンク機構のWeb上への拡張,タグづけによる柔軟なWeb-DB連携学習環境システム構築の方法論と,学校教育に有効なシステム開発のあり方を示した。開発した学習環境システムを活用した新しい授業方法を提案し,小・中高等学校の総合的な学習の時間や既存教科で探求と知の共有化のための授業を実践し,次のような成果を得た。 1 ヴィゴツキーの最近接発達領域論の考え方に基づいて,学習を人と人の間あるいは人と学習環境との間のコミュニケーションや相互作用によって言語や学習環境上の情報を媒介にして協調関係を構築していく過程と考え,コミュニケーションによる知の共有化を支援する機能と学習環境との関係を明らかにし,学習指導と授業設計の方法を確立した。 2 情報社会における学習環境に求められる知の共有化と協調活動を支え,学習者どうしならびに学習者と教師とのコミュニケーションを支援するために,学習過程において学習環境システム内に生成される情報への意味付与に関して,タグづけによる新しい方法を開発した。また,この方法により可能になる新しいコミュニケーションの形を明らかにした。 3 コミュニケーシヨン機能の開発について,ハイパーリンクによる意味表現機構を用いた「複数の表示切り替え機能」,「コミュニケーション機能」,「他の学習者とのマッチング機能」,および「思考の可視化機能」をネットワーク学習環境システム上に実装した。 4 平成14年度および平成15年度の授業実践について授業の展開と成果をまとめ,データベース用にディジタル化した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2002年 
    代表者 : 鈴木 真理子; 森広 浩一郎; 永田 智子; 鈴木 秀之
     
    1 教員養成学部・大学の授業におけるCSCL環境の利用について CSCL環境を組み込んだ教員養成課程の授業をデザイン・実践・評価した結果、1)CSCL環境を取り入れることで学習内容について大学生は活発に討論できること、2)CSCL環境によって実現された社会的背景の異なる集団との相互作用によって大学生に豊な学習が広がること、がわかった(永田ほか,2002;2003;印刷中;中原,2002;鈴木ほか,2003,印刷中)。 2 教員養成大学生の実験観について 教員養成系大学生の実験観を調べた結果、1)大学生は実験についてマイナスイメージをもっていること、がわかった(堀ほか,2002)。 3 教員養成学部での実践研究について 1)大学生自身によって実験をデザインすること、2)学習者のリフレクション活動を支援するCSCL環境を組み込むこと、を考慮した実践を教員養成系学部の選択授業で展開した結果、1)大学生が実験を肯定的にとらえるようになっていたこと、2)大学生が科学的知識が構築していたこと、が示された(鈴木ほか,2002;Suzuki, in press)。 4 小・中学校への展開について 小・中学校への展開をめざし、CSCL環境において学習者同士が相互作用する中学校理科の授業をデザイン・実践・評価した結果、1)中学生が授業方法について肯定的な評価をしていること、2)中学生の授業内容についてのリフレクション活動が盛んに起こっていたこと、が明らかになった(今井ほか,2002a;2002b)。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 成田 滋; 永田 智子; 森広 浩一郎; 長瀬 久明; 棟方 哲弥
     
    不登校児の学校以外での場における教授や学習には3つの課題が存在する。第1は、在宅にあって学ぶ環境が、生徒と教師、生徒同士の交互作用を阻害しているということ、第2は遠隔による生徒同士の交互作用による学習がどのような環境であれば効果が上がるかが不明であるということである。第3は、交互作用を促進するための多目的遠隔教育システムは、どのような構造が望ましいのか、インターフェイスはどのように工夫すべきかということである。本研究はこの3点を解明することであった。多目的遠隔教育システムは以下のような構成とした。 --個別の学習計画・教材作成、学習教材と資源データベース、学習相談室 --ホームスクーラー同士の相互会話室、生徒と支援ティーチャーとの会議室 --お知らせや掲示板、電子メール、課題提出コーナー --「学習プロジェクトルーム」、生徒の学習評価と成績管理 多目的遠隔教育システムの使い良さを向上させるインターフェイスの改良とその効果の検証を2年度に実施した。すなわち、遠隔で学習する不登校生徒へのシステムの細部に関する調査の実施、それに基づくシステムの改良やインターフェイスの改善、外部評価による本システムの信頼性の検討であった。不登校生徒や保護者からの本システムの利用はおおむね良好な結果となった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2001年 
    代表者 : 成田 滋; 森広 浩一郎; 西村 治彦; 長瀬 久明; 永田 智子
     
    現職教師の研修を意図する多目的遠隔教育・学習の方略とデザインとしては、オンラインコース設計と演習を実践する過程で次のような要件が必要であることが判明した A 学習者の遠隔教育でのオンライン学習への動機を考慮する 学習者はさまざまな学習への動機を有する。そうした学習者個人の学習ニーズを考慮したオンラインコース設計が望まれる。学習者の立場からは、次のような姿勢が必要となる。 1)知識伝授から、知識創造・構築の態度、2)高い自己動機と協調的学習への志向、3)基本的なコンピュータスキル、4)オンライン学習への質的な高い期待 B 学習者環境を事前に想定する 学習者の学習環境、とりわけネットワーク利用の環境などはさまざまであることが予想される。従って、次のような点を考慮する。 1)自宅、学校、あるいは職場でのオンライン接続、2)対面でない学習に対する信頼、3)自己動機と自己統制の能力4)読解と文書作成の能力、5)学習過程での批判的見地と表現の能力、6)遠隔在住・在勤、クラス参加への時間的困難性 C 設計者に要求される力量 遠隔教育のコース設計には、なによりもコース設計者の哲学とポリシー、及び力量が要求されるところである。コース設計者に要求される資質は次のようなことと考えられる。 1)継続的なオンラインでの遠隔アクセス性、2)高い情報発信能力、電子出版との親和性、3)情報検索、再構成にかかわるスキル、4)電子メールの効果的な日常活用能力、5)著作権・プライバシー保護の理念と実践力6)オンラインツールに対する精通、7)基本的なネットワーク概念理解と操作能力 D 設計者の役割 遠隔教育のコースを設計するものは、学習者の多様な学習環境に備えるとともに、学習過程をトラッキングできる者である。トラッキングのために、以下のような支援体制をとる。 1)学習素材を【人】・【教材】・【考え】・【方略】などで統合、2)オブジェクトを目的に応じてオンラインで提供3)学習過程を「つなぐ」こと、4)随時、学習素材を更新したり、再構成すること、5)その過程で様々な支援をすること、6)支持、肯定、再検討、提案
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 正司 和彦; 森広 浩一郎; 長瀬 久明
     
    認知科学における状況的認知論の知見をもとにして子どものポートフォリオ学習を検討し,Webにこの教育的機能を付加してコミュニケーションと知識の共有化が可能な遠隔共同ポートフォリオ学習環境システムのあり方を示し,このシステムを活用した授業の構想・計画と実践方法を明らかにした。これに基づき,学習成果,ポートフォリオ,コミュニケーションの3種類の情報を蓄積するWeb-DBシステムを開発した。また,複数の学校のWebサーバが,生徒からは統合された1つのサーバシステムとして情報検索やコミュニケーションできる統合機構を開発した。 このシステムを学校で授業に用い、実践結果を分析して,次の成果を得た。 1 長期的な学習中,標準基準に沿う振り返りを児童生徒が行いやすいように,システムのインタフェースを再構成した。また,ネットワーク上のコミュニケーションを促す「出だし言葉,つなぎ言葉」を調整し,実践対象の児童生徒(小学校高学年,中学生)用それぞれの学習環境を構成した。 2 小学校では,総合的な学習の時間を想定した福祉の授業(30時間)を設計し実践した。中学校では生徒同士及び教師との相互作用を引き出すことに,より焦点をあてた授業(32時間)を設計し,理科の時間で実践した。 3 小学校の実践では,ポートフォリオを何度も改善することにより学習効果が挙がったこと,情報の読みとりを深めるには「しおり機能」や「評価基準参照機能」が有効であったこと、他者評価を得るため電子掲示板が有効であったこと,話し合いを対面から徐々にネットワーク上に移行すると無理なくできたこと,追求の進め方の助言に「出だし言葉,つなぎ言葉」が有用であった。また中学校の実践からは中学生がネットワーク上の話し合い(相互作用)の価値を「異なった意見を出し合うことに意味がある」ことに見いだしていったことが示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2000年 
    代表者 : 成田 滋; 森広 浩一郎; 西村 治彦; 長瀬 久明; 永田 智子
     
    諸外国や国内における諸研究や実践では、将来のネットワークを利用した起業家として基礎的な資質やスキルを養成するという視点の研究はほとんど皆無である。アメリカ、カナダ、イギリスなどにおける中学生レベルでのネットワーク構築と利用の実践は、多くはない。 研究の初年度の前半では、諸外国や国内における諸研究や実践で明らかにされている生徒のネットワーク利用のプロジェクトの内容や条件を把握し、あわせて教師教育のカリキュラムにおける情報教育の内容を詳細に調査した。この調査は国内だけではなく、アメリカ、カナダ、イギリスの学校におけるネットワーク構築体制を生徒主導の学びの環境と教師の役割という観点から調べた。 続いてネットワーク社会の仕組みやネットワークの果たす役割を学ぶために、兵庫教育大学附属中学校の生徒を数名選び、研究者のスーパービジョンの下でネットワークサーバーの管理と活用に関する知識を習得させ、試験的にメールとwwwサーバーを構築させた。こうした学習を通じて得られた知見をもとに、教師に要求される資質と力量を確定し、そうした資質を育むための教師教育カリキュラムと科目を特定した。 本研究では、中学生による試験的ネットワークサーバーの構築と運用を通して、将来起業家としてのPlan(企画)、Do(実行)、See(理解)、Be Accountable(報告責任)などの資質の形成で必要な項目を抽出した。こうした項目は、学校内でのネットワーク上での多様な情報活用の仕掛けや工夫を支援する教師の力量養成の高度化に役立つ知見をもたらした。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2000年 
    代表者 : 成田 滋; 森広 浩一郎; 藤田 継道; 長瀬 久明; 棟方 哲弥
     
    近年、障害者の自立や地域社会参加が取りざたされる中で、肢体不自由等のハンディキャップのために養護学校を卒業しても地域の小規模作業所や授産所、あるいは厚生施設等に通うことができず、在宅で生活することを余儀なくされている人々や、慢性の疾患を抱え病院内での生活を送っているために思うような就労ができない人々が多く存在する。このような現状を打開する一方策として、インターネットとコンピュータ端末、さらには移動体通信機器を用いた在宅就労支援システムの構築が考えられる。本研究は、在宅生活を余儀なくされる障害者が作業所を基点とするネットワークを使い、在宅のまま仕事を探し、必要な支援を受けながら作業を完了することができる多目的なシステムの開発と応用を検討し、在宅就労の機会を拡大することを意図した。 研究の初年度の前半では、諸外国や国内における諸研究や実践で明らかにされている障害者のネットワーク利用プロジェクトの内容や条件を把握した。この調査は国内では、主に関西を中心としさらに山陰地方の島根県での在宅就労の支援状況をネットワーク利用に焦点を当てて調査した。海外では、アメリカとニュージランドで障害者の在宅就労の実状を調査した。さらに、作業所基点用の多目的な利用をねらったネットワーク構築を試み、サーバーの立ち上げとその試験的運用を始めた。 研究2年度の本年は、多目的ネットワークの多様な利用にかかわる改善とその有効性の検証、およびインターフェイスなどシステムの改良を行った。主要な設備は作業所に貸し出しし、電子情報管理システムを使った在宅就労のより広範囲な活用を研究してもらい、システムの改良に努めた。また、在宅就労を支援する作業所の端末を増やし事例研究を進めた。 本システムが地域の企業や学校、地方公共団体、障害者ボランティア団体等とネットワークを結ぶことで障害者福祉に対する地域企業の連携協力を促進する上で、有効であることを検証した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 正司 和彦; 森広 浩一郎; 長瀬 久明
     
    本研究の目的は,子どもがマルチメディアやインターネットによる学習システムを活用して他者とのコミュニケーションを行い,共同しながら子ども同士で探究し共同で知識を創り出し課題を解決していくという子ども中心の授業づくりと実践の方法を明らかにすることである。 このために,ネットワーク上に分散した子どもの思考・知識やマルチメディア教材を動的にハイパーリンクするオーサリング法を、HTMLで専用のタグを用いる方法と、XML(Xlink)を用いる方法で検討し,WWW・データベース連携技術によってインターネット上でマルチメディア情報を動的にリンクし学習者を支援する機構の基盤技術を明らかにした。さらに,複数のWWWサーバがお互いに検索依頼情報、検索結果情報を交換し、学習者からの問い合わせに対して連携して動作し、教材を動的にハイパーリンクする機構をCGIを用いて開発した。また,この検索サーバ群に対して、新たなWWWサーバを容易に追加できる機構を加え、ネットワーク上の共同学習環境を柔軟に追加変更できるようにして,多くの学校が容易に遠隔コミュニケーションに参加することを可能にした。 さらに,マルチメディアネットワーク学習環境における子どもの学習活動とその支援の方法を整理し,この考え方を活用したさまざまな方法・形態の授業を学校教育において実施し,この考え方を活用したさまざまな方法・形態の授業を学校教育において実施し,実践事例を蓄積するとともに,単元計画,学習環境,開発教材,実践記録及び分析と知見を各授業実践ごとにまとめ,高度情報化時代の新しい授業実践の方法を提案した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1997年 -1998年 
    代表者 : 成田 滋; 佐藤 正幸; 森広 浩一郎; 長瀬 久明; 松本 治雄
     
    本研究の目的は、聴覚障害者の遠隔コミュニケーションの問題を少しでも解消するために、個人用の情報端末機器と移動体通信機器をつないで、聴覚障害者が遠隔地において対面的なコミュニケーションができるような方法を開発することであった。 現在の聴覚障害者のコミュニケーションでは、互いに遠隔にいる場合は、ファックスなどでやりとりしている。また最近では、手書きの文字や絵を双方向で同時にやりとりできるが、家庭の電話回線からでは時間がかかり改善が求められている。 最近の移動体通信システムは、国内のどこにいても通話ができるようになり、場所や時間に限定されないという特徴がある。しかし、携帯電話は、音声の送受信が中心であるから難聴者や聾者には使えない。単方向通信として携帯ファックス、文字表示型「ポケットベル」、携帯用手書き電話などがある。また、双方向通信としてはパソコン通信があるが、文章力が弱い聴覚障害者や機器の操作に慣れていないや高齢者には向かない。しかし、携帯型個人情報機器は、デジタル化技術の恩恵により、情報を媒介として障害者と健常な人をつなぐコミュニケーションの媒体となりうる可能性を有している。 本研究によって得られた結果としては、携帯型情報機器と移動体通信機器の組み合わせが、聴覚障害者の遠隔における対面的な会話を可能にすることが判明したことである。市販されている個人用携帯情報端末は、どこからでも情報を送信できるが、受信できないという欠点がある。こうした欠点を補い、聴覚障害者やお年寄りに使いやすく、また、互いの顔を見ながら対話できるシステムの実現が実験によって可能であることが判明した。しかし、動画の画質、大きさ、一秒当たりのコマ数などで課題があることも判明し、鮮明な画像によるコミュニケーション手段としては、まだまだ改良の余地がある。 本研究の知見としては、コミュニケーション障害者で聴覚に困難を示す人々が手話を中心とした映像データを伝送することによって、情報障害を克服できることがわかったことである。聴覚障害者が携帯型の個人用の情報機器とデジタル携帯電話を持って、移動する場所から全国のどこへでも手話映像をとおして会話することが可能である。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1997年 
    代表者 : 正司 和彦; 森広 浩一郎; 長瀬 久明
     
    学校の授業で使うハイパーメディア教材のオーサリングについて,順序関係,意味関係,格関係に加えて,新たに連接関係による関係付けのためのリンク法を開発して,動的リンクによるオーサリング法の体系化を行った。これにより,情報収集,読みとり,関係付け,表現,他社とのコミュニケーションといった子どもが主体的に学習活動に参加できる参加型マルチメディア・ネットワーク学習環境の構築を可能にした。また,ハイパーメディア教材のオーサリング方法を具体例で示した。 さらに,この動的リンク機構をネットワーク対応にするために,インターネット上のハイパーメディア教材同士を動的にリンク付けするオーサリング方法についても検討し,CGIによる動的リンク処理機構を有するWWWサーバの構築法を提案した。 以上の成果に基づいて,小学校では2つの社会科のマルチメディア授業とインターネットを活用した遠隔学習の実践を,中学校では理科および英語のマルチメディア授業とネットワーク学習環境による数学の授業実践を,高等学校では理科のマルチメディア授業およびネットワーク学習環境支援による討論能力育成の実践を行った。 これらの実践事例に対して教育方法と認知科学の側面から考察を加え,子どもの学習を文化的実践,認知的実践,社会的実践,実存的実践の4つの実践とみなし,子どもの探究を中心とした参加型学習環境のあり方を明らかにし,その授業設計及び教材開発法についての具体的手順を示し,マルチメディア・ネットワーク授業の改善方法を示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1997年 
    代表者 : 片山 忠次; DUNLAP Willi; HOGGE James; べい 漢極; 趙 光濬; 中洌 正堯; 金 容淑; 洪 吉錫; 金 徳萬; 寺岡 敏郎; 佐藤 光; 中村 哲; 細谷 安彦; ぺい 漠極; 辻 弘; 濱名 外喜男; 森広 浩一郎; 鈴木 正敏; 長澤 憲保; 古川 雅文; 長瀬 久明; 渡邊 裕子; 成田 滋; 長石 敦
     
    研究2年目にあたる平成9年度では,各国におけるグローバル教育のカリキュラムの実践例を収集した。また,各研究分担者・研究協力者による研究成果をとりまとめ,報告書を作成した。 韓国の研究分担者を招へいしての会議では,当該国で行われた研究について,これまでの地理・歴史科などとの歴史的関連性から,グローバル教育のあるべき方向について報告がなされた。また,両国の歴史的・文化的交流の特性を活かした教育がなされるべきことが提案された。 アメリカにおける視察においては,当該国の教育の現状を見るとともに,マルチメディアを利用したグローバルな範囲での情報収集能力の育成や,芸術における多様な文化の反映が教員養成においてどのようになされているかを検討した。 韓国における視察においては,当該国の教育の現状を見るとともに,現在進められている教育改革について,グローバル社会に対応するものとしてその関連性を追及した。また,日本と韓国の友好関係を基本においたグローバル教育をいかにして進めていくかについて当地の研究者・教育者等と協議した。 アメリカ合衆国の研究分担者を招へいしての会議では,各学年ごとに行われているグローバル教育関連単元や,既存のカリキュラム内での教科内容のグローバル化,そして独立科目としての国際ビジネス(高等学校レベル)などの教育内容が詳しく報告され,日本における総合学習への関心の高まりと合わせて,グローバル教育の持つ総合的視野を既存のカリキュラムの中に採り入れていくことと,その意義について両国の立場からそれぞれ検討した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1995年 -1996年 
    代表者 : 岡本 敏雄; 森広 浩一郎; 松居 辰則; 中村 直人; 波多野 和彦; 田中 正智
     
    本研究では、マルチエージェントシステムの枠組みによる知的分散協調学習支援システムの開発が目的である。このシステムは、コンピュータ内に1つのエージェントとして構築された疑似的な学習者(これをコンピュータ・コンパニオンと呼ぶ)を有する。コンパニオンは、人間学習者に対して、様々な振る舞い(協調的,競争的等)を示し、観察学習やリフレクションの機会を与える。さらに、学習者とコンパニオン間の協調行動過程をモニターし、必要に応じてコーディネータとして振る舞うエージェエントも組み込まれている。 以上のような機能を持ったエージェントを包含した知的分散協調学習支援システムを開発するために、平成7年度では、仲間学習環境(Peer Learning Environment)の構築が行なわれた。特に、人間学習者がコンピュータ・コンパニオンの理解状態をどのように認識しているかを表現した"コンパニオンエージェント認識モデル"が研究された。そして、コンピュータ・コンパニオンの対話モデル、柔軟な対話環境(インタフェイス),認識モデルの表現形式が提案された。また、マルチエージェント間のコミュニケーション過程を認知科学的手法を用いて分析し、対話モデルを検討した。そして、対話モデルの表現形式を知識工学的手法を用いて記述した。 平成8年度では、構築されたコンパニオンエージェントの認識モデルを基にして、人間学習者の他者認識能力向上のための支援方法を実装した。また、対話モデルを基にして、各エージェントが自律的に振る舞うためのモデル、そのモデルで必要となるエージェントの状態表現記述、他エージェントとのコミュニケーションを図るための通信メッセージ、及び通信プロトコルを提案した。さらに、エージェントモデルに基づいた知的分散協調学習支援システムを実装し、システムの振る舞いに関する評価を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1995年 -1995年 
    代表者 : 濱名 外喜男; HOGGE James; DUNLAP Willi; 金 徳萬; 洪 吉錫; 寺岡 敏郎; 佐藤 光; 細谷 安彦; 辻 弘; 森廣 浩一郎; 鈴木 正敏; 長澤 憲保; 古川 雅文; 長瀬 久明; 渡邊 裕子; 成田 滋; 長石 敦
     
    1.平成7年度の研究課題 先行研究 「グローバル教育における国際比較実践授業研究」 (平成6年度) において実践された生徒同士の情報交換は、主にビデオテープを中心としたものであり、交換の頻度が限られたものであったが、本年度ではコンピューターによるネットワーク通信網を利用して、さらに双方向性の強い相互作用を伴った実践を行うこととした。それには現在整備されつつあるインターネットを利用し、文字および画像を使用して情報交換することを計画した。 2.授業実践ならびに調査対象 設定した調査フィールドは、日本 : 兵庫教育大学附属小学校、同中学校、韓国 : ソウル教育大学校附属国民学校、ポハン製鉄西小学校、米国 : ウィスコンシン州 ノースウッズ小学校、ノーススター中学校、テネシー州 ストーナー・クリーク小学校、イ-キン小学校、サウスサイド中学校、デュポン-ヘッドレイ中学校であった。 3.実践ならびに調査方法 まず研究に先だち、兵庫教育大学において全体会議が開かれ、インターネットを利用した交換授業がどのようなものであるべきかが議論された。そこではまずお互い同士が知り合うこと、そして児童生徒の興味を中心として、情報の交換をし合うことが決められた。 日本からは米国の年度初頭に合わせて研究分担者ならびに協力者が派遣され、各国の学校でのコンピューター・ネットワークの利用状況、それに伴う交換実践の可能性を調査した。 兵庫教育大学附属小・中学校ではそれぞれがインターネット上のワールド・ワイド・ウェブ (WWW) でホームページ (テキスト・画像・音声などを一覧できる情報データベース)を作成した。参加中学生は個人で英語を使用してホームページを作成し、さらに英文でのメッセージを電子メールを通じて送信した。 4.実践ならびに調査結果 調査の結果、インターネットに接続が可能なのは韓国のソウル教育大学校附属国民学校をのぞくすべての学校であった。そのうち電子メールならびにワールド・ワイド・ウェブ (WWW) を直接使用可能なものはイ-キン小学校ならびにデュポン-ヘッドレイ中学校であった。その他の学校では電子メールのみが使用可能であり、WWWについては姉妹大学よりデータを物理的に運ぶことになった。 参加校のうち実際にコンピューターによる交信を実施できたのは、ノースウッズ小学校、イ-キン小学校、ノーススター中学校、デュポン-ヘッドレイ中学校であった。これらの学校の児童生徒たちは、日本側の作成したホームページを見るとともに電子メールを受け取り、特定の児童生徒に対して返事を書くことによって交信を続け、現在もそれが継続している。この双方向通信によって、日本の小学生は相手国の文化に対する興味を一層深めると同時にネットワーク通信そのものにも関心を示した。さらに日本の中学生はそれに加えて、英語を単なる教科としてではなく、コミュニケーションの道具として実際に役立つものと認識しはじめた。 問題点としてあがったのは、 1) 小学校段階では、言語の壁があるために直接コミュニケーションができず、教師の負担となったために円滑な情報交換をするに至らなかった。 2) 個人対個人の友好を深めるために、写真を掲載しようとしたところ、アメリカのウィスコンシン州の参加校からネットワーク犯罪 (身元が判明することによる誘拐など) のおそれがあるとして実現しなかった。 3) 児童生徒の身近な興味関心をもとにして情報交換をすることにしたが、説明不足等により内容が異文化間でも興味を喚起するようなものになりえず、継続した交流になりにくかったものも多かった。 今後の課題としては、コンピューター・ネットワークを利用した双方向通信の特性と可能性をさらに探り、既存のカリキュラムとの融合が計られるようにする必要があると考えられる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1994年 -1995年 
    代表者 : 正司 和彦; 森廣 浩一郎; 長瀬 久明
     
    本研究は,学習者の思考特性を考慮し,理解を深化させる教材の開発方法を検討し、学習活動における学習者の意図に適応するリンク機構を検討して,そのオーサリング方法を提案することと,教師の意図とハイハ-メディアの持つ教育的機能を生かした柔軟な授業設計法を提案することを目的に行われ、次のような成果を得た。 1 ハイパーエディア教材におけるリンクの教育的機能を、カテゴリー,順序,意味,格関係,連接関係,の5種類にまとめ,これらの関係をカード属性とし,このデータにより動的にカードがリンクされる機構を開発した。この動的リンク機構をオーサリングツール化し,教師と学習者の双方の意図に柔軟に対応する教材のオーサリングを可能にした。 2 今後素材として多用される静止画像やビデオ等の動画像を対象にして、動画像の各カットや静止画の表す動作内容を格関係表現に基づいて記述しインデクスとするデータベース構築方法を開発した。このインデクス法は課題領域に対して汎用性が高い方法で映像に自動的にリンクをはることができ,したがって,既存の画像データから簡単に教材を開発することが可能である。 3 ハイパーメディア教材の課題であった,探索活動における学習者の思考過程への配慮,デザイナ-としての教師の意図の組込み,教材内容の変更の容易さ,さらに授業の柔軟な設計と展開が,本オーサリングツールを用いることにより可能になった。小学生歴史学習(平安時代),産業学習(伝統工業)と高等学校美術(ヘ-パ-ウェイトの制作)の教材を開発して授業実践し,授業設計と展開の具体的手順と技術を明らかにした。これらにより,ハイパーメディアの持つ教育的機能を授業に生かす一方法を確立した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1994年 -1994年 
    代表者 : 濱名 外喜男; WILLIAM P.Du; 森廣 浩一郎; 洪 吉錫; JAMES H.Hogg; 金 徳萬; 寺岡 敏郎; 細谷 安彦; 辻 弘; 長澤 憲保; 古川 雅文; 長瀬 久明; 渡邊 裕子; 長石 敦; 岡崎 義富
     
    1.平成6年度の研究課題 先行研究「グローバル教育に関する教育内容及び教材開発の国際比較研究」(平成5年度)において得られた知見から,異なる環境で生活する児童生徒が相互にもつ生活実態の具体的なイメージについての疑問を解消することを第一歩とし,そこでこの問題解決のために,児童生徒の生活実態の映像情報の交換が有効であると考え,この交換を通じて授業を実践することを企画した。本年度は,それに対する生徒の反応観察を主軸とし,さらに即時的に生徒生徒同士に意見交換ができるようなネットワーク通信網の利用も計画したが,これについては,予備的研究ととどめることとした。映像資料として作成したのは,小学校5年生(G5),中学校2年生(G8)を中心とする学校紹介及び学級紹介のビデオテープである。 2.調査場所および対象 設定した調査フィールドは,日本:兵庫教育大学附属小学校(J1),同中学校(J2),韓国:ソウル教育大学高附属国民学校(K1),大邱 聖明女子中学校(K2),米国:ウイスコンシン州 ノースウッズ小学校(オ-クレア)(U1),テネシー州 マウント・ジュリエット小学校(U2),サウスサイド小・中学校(U3),ワシントン州ヴァレ-ビユ-小学校(U4)であった。 3.調査方法. 調査の手段として,兵庫教育大学附属中学校(J2)の紹介ビデオテープをテネシー州マウント・ジュリエット小学校(U2),サウスサイド小(中)学校(U3)に送付,それに対する生徒の反応調査と,同校におけるビデオテープの作成を依頼した。反応については,生徒の個別の手紙による回答とビデオテープの送付を得た。 これに次いで,兵教大附小(J1)の学級活動を中心とするビデオテープを作成するとともに兵教大附中(J2)のビデオテープの増補改訂版を作成した。これらのビデオテープを韓国,米国の各フィールドにおいて,兵庫の分担者が参加して提示し,生徒の反応観察,および提示したビデオテープの内容に対する生徒の質問,意見,生徒間コミュニケーションの希望の有無についてアンケート調査を行った。同様に,兵教大で行った全体会議の期間において,韓国及び米国(K1,U1)で作成されたビデオテープを兵教大附小5年生(J1)全学級で,またU2およびK2のビデオテープを兵教大附中(J2)で提示し,同様のアンケート調査を行った。 4.調査結果 生徒は,それぞれ大きな反応を示した。第一に,総じて,生活習慣がお互いに明確に異なる点に興味を示した.例えば,学校生活における違いに注目し,強い興味を示した。日本の生徒は,アメリカの学校における,バス通学,昼食時のカフェテリヤ方式,クラスの人数,個別の学習方式,コンピュータ利用,特に数学との関連,スポーツなどについての質問が目立つ。米国の生徒は,日本の生徒が行う教室やトイレットの掃除について,なぜしなければならないかを問い,また,宿題があるかどうか,などの質問が多かった。また,制服のある韓国の学校の生徒は,日本の学校の生徒に服装について,ユニホームがないのか,それを気候との関連で質問している。 また,共通していえることは,学校が好きかどうか,学校は面白いかどうか,授業時間数に対する質問も多く見受けられた。これ以外に検討すべきユニークな質問が多数あり,今後の分析の課題である。ほとんどの生徒が,言葉の壁をもちながらもお互いに,コミュニケーションを強く望んでいることも明らかとなった。 コンピュータネットワークを利用した相互通信に関しては,兵庫教育大学および韓国ソウル教育大学校,大邱教育大学校において現在ネットワークの整備中であることから,本年度は,研究者間の研究連絡に実験的に使用するにとどまった。ビデオテープに加えて,こうした情報機器をどう活用すると効果的であるかの検討が今後の課題のひとつである。

担当経験のある科目

  • 課題研究兵庫教育大学
  • 情報処理基礎演習2兵庫教育大学
  • 情報活用技術1兵庫教育大学
  • 情報処理基礎演習1兵庫教育大学
  • 教育の情報化とICT活用兵庫教育大学
  • 総合学習情報教育論兵庫教育大学
  • 教育工学・教育情報学特別研究兵庫教育大学
  • 教育情報メディア実習兵庫教育大学
  • 教育情報コミュニケーション兵庫教育大学

その他のリンク

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