研究者総覧

加藤 久恵 カトウ ヒサエ

所属部署小学校教員養成特別コース
職名教授
メールアドレス
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生年月日
Last Updated :2025/04/12

研究者情報

学位

  • 教育学修士(広島大学)
  • 教育学博士(広島大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • 数学教育学   

研究分野

  • 人文・社会 / 教科教育学、初等中等教育学

経歴

  • 2022年04月 - 現在  兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授
  • - 2022年03月  兵庫教育大学大学院学校教育研究科准教授

学歴

  •         - 1999年   広島大学   教育学研究科   教科教育学
  •         - 1999年   広島大学   Graduate School, Division of Education
  •         - 1994年   広島大学   教育学部   教科教育学
  •         - 1994年   広島大学   Faculty of Education

所属学協会

  • 近畿数学教育学会   日本科学教育学会   日本教科教育学会   日本数学教育学会   全国数学教育学会   

研究活動情報

論文

講演・口頭発表等

  • 小学校低学年の子どもたちの比例的推論における数学的モデルに関する検討: タスク・ベースインタビューを中心に  [通常講演]
    日野圭子; 市川啓; 加藤久恵
    第21回ICTMA 2023年09月 ポスター発表

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2027年03月 
    代表者 : 黒田 大樹; 佐藤 学; 加藤 久恵
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 加藤 久恵; 堀田 千絵
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 佐藤 学; 加藤 久恵; 新木 伸次; 黒田 大樹
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2025年03月 
    代表者 : 堀田 千絵; 加藤 久恵; 十一 元三; 吉岡 尚孝; 八田 武志; 津田 恭充
     
    本研究の目的は、学習力を支える高次認知機能としてのメタ認知の早期育成が定型発達児のみならず発達症児の予後の生活適応に多大な影響を与えることに鑑み、発達症児のメタ認知活性化を育む適応的な学習支援ツールの開発とその評価にあった。具体的には次の2点を期間内の目的とした。 第1に、これまで研究代表者が導き出したメタ認知活性化を促すことに有効な「検索学習法」を発達症児の認知発達や社会生活適応の個人差に対応できる適応的な学習支援法として新たに開発すること。第2に、発達症児(幼児期)が小学生(児童期)に成長する4年間にわたる個々の縦断的なデータ収集に基づき、第1の適切性を吟味した評価を行うこと。データの収集方法は、①認知発達と社会生活機能の個人差を加味した釣り合い法(yoked-method:以下ヨークト法(群))に基づく②縦断的研究 による量的分析、保護者、保育者、教員の①②における般化効果としての意識変化の調査、実験、面接による質的分析等である。これらの資料を総合し、定型発達児のみならず、従来十分に配慮されていない発達症児に有効な幼保小の接続を意識した学習支援ツールを開発する。 1年目は、コロナ禍において、一部制限がありながらも、第1における発達症児の認知発達や社会生活適応の個人差についてこれまでの知見を踏まえながら学習支援法の課題の吟味を行うことができた。その結果を学術論文3編に整理した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 永田 智子; 加藤 久恵; 徳島 祐彌; 奥村 好美; 阪上 弘彬; 森廣 浩一郎; 森山 潤; 小川 修史; 清水 優菜; 山下 義史
     
    Society5.0時代に向け,初等中等教育おいては,EdTech活用が求められている.本研究では,①個別最適化を実現するためのツールとしてeポートフォリオシステムの開発,②教科の基礎基本の定着や深い学びのための学習者用デジタル教科書の活用モデルの開発,③eポートフォリオやデジタル教科書の活用を含め教師のICT活用指導力を育成するための教員養成プログラムの開発,①~③を包括して初等中等教育におけるEdTech活用を推進する教員養成システムとして研究を進める. ①に関して,1年目(2021年度)は,eポートフォリオ(EP)システム開発チームが,EPシステムの先行研究を踏まえたうえで,EPシステムのプロトタイプの仕様を開発した.実装にあたっては,兵庫教育大学教職大学院のeポートフォリオシステムの開発・運用経験のある(株)アルベッジに協力を依頼した. ②に関して,1年目(2021年度)は,全国の初等中等学校教員を対象に,デジタル教科書(DT)活用モデル開発チームが,デジタル教科書に関する意識や実態についてアンケート調査を行った.調査にあたっては,デジタル教科書を開発している(株)東京書籍の協力を得た.調査結果は,日本教育工学会2021 年秋季全国大会で「学習者用デジタル教科書の使用希求と教師要因の関連」発表し,また,日本教育メディア学会に「学習者用デジタル教科書の機能に対する教員の期待感の構造-活用研修のデザインに向けて―」という論文を投稿し,採択された. ③に関して,1年目(2021年度)は,教員養成EdTech(ET)プログラム開発チームが,学部生の意識やICT活用指導力の実態調査を行った.調査結果は,兵庫教育大学紀要に「教員養成大学学部生のICT活用指導に対する自信形成の実態把握-兵庫教育大学学校教育学部2021年度1・2年生対象調査を通して-」という論文として発表した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2024年03月 
    代表者 : 日野 圭子; 加藤 久恵; 市川 啓
     
    昨年度に引き続き,毎月1回のオンラインミーティングを通して,研究分担者や大学研究者,大学院生,小学校教師等とともに情報を交換したり,研究のアイデアを得たりしてきた。本年度は,研究代表者と2名の研究分担者が共同で研究する部分の他に,3名の代表者・分担者が中心となって3つのチームを作り,チーム毎の研究活動を進めた。また,これらの研究内容の一部を整理し,日本数学教育学会,全国数学教育学会等において発表を行ったり,学会誌や大学紀要への投稿を行ったりした. ・先行研究の継続的な探索(共同):幾つかの先行する文献から,比例的推論を支える概念的側面を探り,小学校下学年で重要と考える項目を抽出した。また,これらの項目を視点として,近年の日本の小学校下学年の実践研究をレビューした。 ・学習軌道に基づいた授業研究(1)(チーム):昨年度,先行研究をもとに推測した学習軌道を活用し,小学校第3学年において授業実践を計画・実践した。3クラスで1年間の算数の指導の中で共通の学習課題を設定し,各クラスで授業実践を行った。授業実践では課題や手立てを工夫し,児童の様子を観察した。 ・学習軌道に基づいた授業研究(2)(チーム):小学校第3学年において,「一万より大きい数」と「倍の計算」の単元で授業実践を計画・実践した。児童へは事前調査,事後調査も行い,授業中の児童の様子を評価した。特定の児童に焦点化し,児童のノートの記述の分析を通して,児童の変容やその理由を探っていった。 ・学習軌道に基づいたインタビュー調査(チーム):就学前や小学校下学年の少人数の子どもへのインタビューのパイロット調査を行い,ユニット化やノルム化に関わる思考の様相を捉えることを行った。子どもが具体物を操作して考えられる問題場面と状況を設定し,子どもの思考を引き出すような指導的働きかけも行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2023年03月 
    代表者 : 堀田 千絵; 加藤 久恵; 多鹿 秀継; 十一 元三; 八田 武志
     
    本研究の目的は、学習力を支える高次認知機能としてのメタ認知の早期育成が、定型発達児のみならず発達障害児の予後の適応に多大な影響を与えることに鑑み、発達障害児のメタ認知活性化を促すことのできる学習支援法を開発し、当該幼児の小学校入学後までを見据え、縦断的にその適切性を吟味することであった。具体的には以下の2点を明確にすることを目的とすることであった。第1に、メタ認知活性化を促す学習支援法として、学習課題、学習方法、及び各年齢段階に応じた学習結果の評価方法を開発すること。第2に、発達障害児(幼児期)が成長する3年間にわたり、第1で開発した学習支援法を使用し、縦断的にデータを収集して学習支援法を吟味すること。データの収集方法は、第1を使用した個別観察と実験による縦断的研究の実施と教師、保育者、及び保護者の第1における般化効果としての意識変化の調査、面接による質的分析等である。これらの資料を総合し、従来特段配慮がなされてこなかった幼保小の接続を意識した発達障害児に有効なメタ認知活性化を育む学習支援システムを構築することとした。昨年度においては、成長後の小学校段階においてのメタ認知の評価の視点に関する新たな課題がコロナ禍の状況下で見いだされたことがより研究を進展させることにもなった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2023年03月 
    代表者 : 加藤 久恵; 堀田 千絵
     
    昨年度に引き続き,算数科授業における学習内容の振り返りと「メタ認知」に関する理論的研究を進めるために,先行研究におけるメタ認知の研究状況をレビューした。特に,算数・数学学習におけるメタ認知の役割やその調査方法,育成方法を検討した。それらをもとに,検索学習におけるメタ認知の位置づけを検討した。 それらの成果を踏まえて,授業終盤の振り返り場面でのメタ認知を捉え・促す学習指導について整理した。そして,授業の終盤で当該授業を振り返る場面に検索学習を活用することによって,そこでの小学生のメタ認知にかかわる記述の有無とその特徴を実践的に分析・考察した。その際,小学校低学年における比例的推論の学習場面を対象として,比例的推論の進展が促される場面で働くメタ認知について実践的に検討し,検索学習を通して比例的推論を促すメタ認知の事例を捉え,メタ認知の学習指導のあり方について検討した。その結果から,検索学習を活用した授業の振り返りが,児童のメタ認知と学習内容の理解に果たす役割について示唆を得た。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2023年03月 
    代表者 : 佐藤 学; 加藤 久恵; 新木 伸次; 赤井 利行
     
    自律的発展型授業が可能な教師の意識変容モデルを援用し,授業分析用の授業評価ルーブリックを開発し,分析のための観点と基準解釈の整備を行った。 その結果,「教材を知る」「反応を知る」「思考を知る」「展開を知る」「数学することを知る」の観点に対して,「十分知っている」「知っている」「知らない」の基準を明確にするとともに,その判断根拠となる評価対象も示すことができた。さらに,「数学することを知る」の検討から,教師の自律的発展型授業の意識を捉える必要があり,アーネスト(2015)の絶対主義,可謬主義を参考にして,教師の意識には,学習者の問題解決を制御したいとする絶対的固定的な見方・考え方,学習者の自律的な問題解決を支援したいとする可謬的可変的な見方・考え方が現れると想定し,2つの見方・考え方を対立的に例示し5件法回答で反応を得る調査を実施した。その結果,想定の傾向が現れることと,可謬的可変的な見方・考え方を持ちつつも,絶対的固定的な見方・考え方に引き戻される教師の意識を明らかにした。 また,学習者が自律的に数学的活動を遂行することを可能にするため,数学的活動の授業構成モデルを活用した課題学習の実践についても研究を進め,焦点化した問題から遡って授業構成することで,数式がもつ意味や数学的背景を考えることができ,数学的活動が意識化されるとの考えから,モデルを開発し,実践による検証を行った。その結果,教師が発展的思考・態度の育成に注視して指導することで,学習者の自律的な数学的活動が生起されることが明らかになるとともに,学習者が焦点化した問題から遡って日常生活や社会の事象,数学の事象を見い出すためには,教師がメタ認知的支援を行うなどして,学習者の気付きを促すことが必要であることが見えた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 瀬沼 花子; 日野 圭子; 加藤 久恵; 加々美 勝久
     
    本研究の目的は、OECDのPISA調査やIEAのTIMSS調査で長年に渡り指摘されてきたわが国の数学教育の問題点(数学に対する男女差がある、数学は日常生活に関係がないと考える生徒が多い)を改善する一つの重要な方策としてジェンダーの視座から「実世界と数学」を結び付け、数学の価値・有用性を広めようとすることにあった。 研究の成果をまとめると、①ジェンダーに配慮した数学教育、実世界を強調する数学教育の動向の把握、②女子数学教育の歴史と実際の把握、③ジェンダーの視座を活かした「実世界と数学」の資料作成、④数学の価値・有用性を問う調査を行うことができ、今後の展望を得ることができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2022年03月 
    代表者 : 濱中 裕明; 加藤 久恵; 吉川 昌慶; 川内 充延
     
    本研究では数学と数学教育学を融合させた研究手法を,いくつかの理論枠組みを用いて具体化していくことを目的としてきた.APOS理論をベースとして数学者と数学教育学者が協働して教材研究を行うという取り組みから開始して,少しずつ実践研究へと移行し,最終年度には,教職大学院の大学院生を巻き込み,いくつかの成果を教育実践研究としてまとめることまでが出来た.その際には,教授人間学理論やAPOS理論,証明の機能論などの理論を援用しつつ,数学者としての知見を数学教育学の枠組みで活用して授業開発に至るという数学専門と数学教育学とを架橋した研究手法を軌道に乗せることが出来た.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2015年04月 -2019年03月 
    代表者 : 加藤 久恵; 永田 智子; 濱中 裕明; 川内 充延
     
    児童の「学習内容の理解」「メタ認知能力の育成」に関する理論的検討を行った。さらに,各学習内容に関連するメタ認知能力に関して,先行研究を分析しその様相と指導への示唆を考察した。以上を踏まえて,算数科の教材研究に必要な「学習内容の理解の視点」「メタ認知能力育成の視点」について考察した。それに続いて,算数科の教材研究・教師教育に関する理論的・実践的検討を行った。それらの理論的・実践的成果と課題について考察した。併せて,算数学習における児童の「学習内容の理解」「メタ認知能力の育成」をめざす教師の教材研究力育成の在り方を検討した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 多鹿 秀継; 加藤 久恵; 藤谷 智子; 堀田 千絵; 野崎 浩成; 中津 楢男
     
    タブレット端末のコンピュータにメタ認知方略(自己説明)を組み込んだ算数問題解決システムを開発し、児童に算数問題を解決させた。研究期間は児童が小学5年生になった4月から6年生の12月までであった。研究の結果、6年生の12月に実施した転移テストで、上位群と下位群の成績の差異が小さくなった。このことは、メタ認知を組み込んだシステムの開発によって、適応的な算数問題解決者が育ってきたことを示すと指摘できる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2017年03月 
    代表者 : 植田 敦三; 加藤 久恵; 馬場 卓也; 飯田 慎司; 山田 篤史; 小山 正孝; 岡崎 正和; 二宮 裕之; 岩崎 秀樹; 和田 信哉; 影山 和也; 日野 圭子; 溝口 達也; 松浦 武人; 岩崎 浩; 真野 祐輔; 宮川 健
     
    学会と協働して日本の数学教育を国際的に発信するための基盤整備に取り組んだ.海外の研究者を招聘し学会での一連のシンポジウムを開催するとともに,日本の数学教育を記述する枠組みについて検討した.その結果,わが国の数学教育を反省的に記述する枠組みとして「カリキュラム」「授業づくり」「教員養成・教員研修」「価値観」という観点を抽出することができた.また,日本の数学教育を国際的に発信するために,英語による出版準備(原稿作成と英語翻訳)を行った.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 加藤 久恵
     
    本研究では,数学的表現力の育成において,数学的表現をいつどのように使うのかというメタ認知を踏まえた学習指導の開発を目指した。 小学校算数科における数直線の学習指導に関する先行研究を概観し,数直線の学習指導の概要,数直線の理解を促す枠組みを検討した。それを踏まえ,数直線の学習指導の流れを捉え,それぞれの段階における操作的・記号的表現を位置付けた。さらに,それらの変換を行う際にみられるメタ認知とその具体例を同定した。その一部について授業観察を行い,これらの妥当性を検討した。以上の成果をもとに,小学校5年生における小数の乗除法の単元において,数直線の学習指導のあり方を具体的に検討した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年04月 -2014年03月 
    代表者 : 中原 忠男; 小山 正孝; 山口 武志; 岡崎 正和; 吉村 直道; 加藤 久恵; 杉田 郁代
     
    今日、算数の授業で「話し合い活動」が重視されている。しかし、そうした授業は発表ごっご的な面が見られたり,子どもの重要な発言が活かされなかったりしている。本研究はそれを改善するために、第一に話し合い活動を社会的相互作用と捉え、その認識論的な役割を理論的に解明した。第二にそうした役割をもつ社会的相互作用を活かした授業づくり、授業実践のために、算数科の授業における「社会的相互作用」活用の規範的モデルを構築した。そのモデルは、①基本的な授業過程 ②重要な社会的相互作用 ③教師の主要な活動 ④子どもの主要な活動、などから成るものである。第三にこのモデルに基づく授業実践を通してモデルの活用事例を示した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 濱中 裕明; 加藤 久恵
     
    近年特に重視されている数学的活動を高大連携の数学教材に取り入れ発展させることを出発点として、高校での数学的活動について数学教育学と数学の両面から考察した。 数学的活動としては、数学の実用的価値に重点をおいた応用指向の数学が考えられることが多い。しかし、数学の内容や考察そのものを面白いと思わせるような、主体的・能動的な考察活動を促す「構造指向の数学的活動」を考えることはできないか。 本研究では、そのような活動の枠組みを提案する。これは数学者の研究活動の縮図として設計されている。また、実践にむけた教材例を開発し、実践のなかでその効果や意義を検証した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 加藤 久恵
     
    本研究は,「教師のメタ認知」を捉える枠組みを検討し,数学教育における教師のメタ認知能力の調査・育成方法を実証的に考察した。その際には,教師の知識が活性化している知識なのか,不活性な知識なのかを調べることで,教師のメタ認知能力の特徴を分析する方法を検討した。そして,活性化されている知識と不活性な知識を同定する観点を検討し,教師のメタ認知能力の一側面の特徴を考察するとともに,教師のメタ認知調査・育成の枠組みを実践的に検討した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 多鹿 秀継; 中津 楢男; 加藤 久恵; 藤谷 智子; 堀田 千絵
     
    5年生から1年間、各学期週1回の3週にわたって、算数文章題のいくつかの解決過程をコンピュータで提示して解かせ、解決過程をノートに自己説明させた。その結果、全体的に文章題を正しく解く児童の割合が増加した。また、常に高い得点を取る児童、徐々に高い得点を取るようになった児童、及び常に低い得点の児童を詳細に分析した。その結果、推論などを使って解決過程を適切に自己説明できるようになると、解決得点が上昇することが分かった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 加藤 久恵
     
    教師教育においては,他の教師の授業を観察することで授業計画や授業実践を学習とすることが多いが,課題や発問の表面的な模倣では,異なる教材や子どもに対して応用できない.つまり,その課題や発問の背後にある教師の心的活動を学ぶ必要がある.これは,教師の活動において,教師の知識や技能を適切に活用する力であるメタ認知的側面を学ぶことといえる.よって本研究は,数学指導における教師の活動をメタ認知的側面から分析し,教師のメタ認知的活動の特徴を明らかにすることを目指した.その結果,授業における教師の活動がより詳細に解明され,それを踏まえて,教師のメタ認知能力の育成を目指した教師教育プログラムへの示唆が得られる.本年度は、以下の2点について研究を行った。 (1)教師のメタ認知的活動に関する,理論的考察の反省的検討:これまでの文献的調査研究について,総括的に検討を行った. (2)教師のメタ認知的活動に関する授業分析と考察:これまでに検討した教師のメタ認知的活動を捉える手法を用い,収集した数学授業のデータを分析・検討し、教師のメタ認知的活動を育成する教師教育プログラムへの示唆を検討した.特に,以下の視点から分析・考察した.第1に,教職経験の違いによる教師のメタ認知的活動の特徴について検討した.第2に,校種の違いによる,教師のメタ認知的活動の特徴について検討した.第3に,教師教育プログラムの違いによる,教師のメタ認知的活動の特徴について検討した.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2005年 
    代表者 : 崎谷 眞也; 藤原 司; 國岡 高宏; 加藤 久恵
     
    1.学習集団についての理論的研究 学習集団を,T.Tによる学習集団,クラスを単純に少人数に分割する学習集団,習熟度別の学習集団という3つの形態から捉え,それぞれの特徴とその実践効果を考察した。その結果,各形態の特徴を成績の向上に生かすことは容易ではないことが分かった。そして,得られた示唆はそれぞれの学習集団で柔軟に対応できる指導法を開発することの必要性であった。そこで生まれたのが,以下に述べる,チーム授業と類似探求授業である。 2.チーム授業と学習集団 チーム授業は,児童・生徒が4〜5人から成るチームを組んで,各チームが高い評価を目指して,チームのメンバーがお互いに励まし協力しあって共に学んでいくという授業である。こうした授業は,一種の少人数指導であり,各チームの習熟度の似た児童・生徒を集めて指導したり,チームのメンバーを習熟度に応じて構成したりすれば,それは習熟度別指導となる。また,そこにT.Tを組み込めば,こうした指導をより細やかにおこなうことができる。 3.類似探求授業と学習集団 類似探求授業とは,まず,1つの算数・数学的素材(数,図形,数量関係等)を提示し,それと算数・数学的に似ているものと似ていないものを教師が例示し,類似性に児童・生徒の意識を集中させた後,児童・生徒の話し合い活動をもとに,教師が順に示すものを似ている仲間と似ていない仲間に分類し,似ている仲間に共通する類似性を児童・生徒に見つけさせるという授業であり,T.TではT_2が児童・生徒の立場から類似性の認知を支援できる。 また,この授業は,もとにする算数・数学的素材をどのように提示するか,また,似ている仲間・似ていない仲間として何をどのような順序で示すかによって類似性の認知の難易が異なり,習熟度の違いによって,それらを柔軟に対応させることができる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2003年 -2004年 
    代表者 : 岡本 真彦; 三宮 真智子; 加藤 久恵; 西森 章子; 高橋 哲也; 川添 充
     
    本研究のこの2年間での最終的な目的は,数学教育で養われた数学的思考力から日常場面での論理的思考力への転移を導く教授プログラムを開発することである。転移とは,既に学習したことが新しい内容を学習するときに促進的に機能することを意味している。具体的には,1年目の目的として(1)数学教育での数学的思考が日常場面での論理的思考へ転移するメカニズム(心のはたらきに関する記述モデル)を解明すること,(2)数学的思考から論理的思考への転移を促す教授方略を解明すること,の2つがあり,2年目は,1年目の成果に基づいて(3)数学的思考力から論理的思考力への転移を導く教授プログラムを開発及び評価することが目的である。 本年度は,特に,目的(3)について主に検討した。 平成16年4月から,数学学習(一次関数)と総合的学習にまたがる教授プログラムを開発し,兵庫県内公立中学校2年生2クラスを対象に,授業が実施した。その結果,基礎的理解テスト得点と,科学的思考課題得点との間に有意な相関係数が得られ,数学学習内容に習熟していることと,科学的な問題解決時に思考できることとの関連が示された。加えて,科学的思考課題において,本教授プログラムを学習した実験群と学習していない統制群を比較したところ,解決過程において違いが見られた。具体的には,数学学習内容(一次関数)を適用して解決した生徒が,実験群には見られたが,統制群には見られなかった。以上から,数学学習内容に習熟する段階にくわえて,その有効性を実感する段階を設定することで,数学で学んだことを,数学以外の場面においても適用し思考できるようになることが示された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2004年 
    代表者 : 瀬沼 花子; 相馬 一彦; 日野 圭子; 加藤 久恵; 小倉 康; 長崎 栄三
     
    1.第3回国際数学・理科教育調査の付帯調査として行われた「TIMSS1999数学授業ビデオ研究」の7か国の国際比較結果を、わが国の視点により、「理想的な授業」、「典型的な授業」の観点から検討し、その結果についてオーストラリア・チェコ・オランダ・スイス・香港・アメリカの研究者と討議するとともに、アメリカ教育学会(AERA、シカゴ)において成果を発表した。 2.TIMSS1999数学授業ビデオ研究の結果を、「主な結果」、「日本の特徴」、「数学授業の構成」、「授業の数学的内容」の4つの視点から分析を行い、また「日本の特徴」、「日本とオランダの比較」、「チェコとオーストラリアの比較」「日本と香港の比較」の4つの視点から分析を行った。その分析結果は学会で発表した。 3.わが国の数学授業のビデオ55本についての教師質問紙の一覧表を、各授業の特徴がわかりやすくなるよう、作成した。 4.TIMSS1999数学授業ビデオ研究の一環としてビデオ撮影されたわが国の中学校数学授業記録51本を完成した。 5.『7か国の数学授業-TIMSS1999数学授業ビデオ研究の結果』(2003)で公開されたオーストラリア・チェコ・オランダ・スイス・香港・アメリカの授業についてビデオの記録表の翻訳を行った。 6.結果を研究成果報告書「『理想的な数学授業』のイメージと実情に関する国際比較研究」(2005年、481ページ)他にまとめた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2003年 
    代表者 : 加藤 久恵
     
    数学教育学においてメタ認知は,自分自身の認知的活動をモニターしコントロールする能力であり,自己評価能力の一端を担うものとして,教育的価値が大きい研究テーマである.一方,学校教育における評価では,学習のプロセスを評価する手段として,学習のプロセスを表現し視覚化するポートフォリオ評価法が注目されている.先行研究から,ポートフォリオ評価法を用いた学習によって,メタ認知能力の育成の可能性が示唆されている.したがって本研究では,数学学習におけるポートフォリオ評価法とメタ認知との関連を検討し,メタ認知能力の育成を目指したポートフォリオ評価法の研究を行うことが目的である.具体的な本研究の目的は以下の3点を明らかにすることである. (1)ポートフォリオ評価法を用いた数学学習の枠組みの構築 (2)ポートフォリオ評価法を用いたメタ認知能力育成の枠組みの構築 (3)(1)・(2)に基づく,授業実践とメタ認知能力の発達に関する調査・分析 上記の目標を実現するために,特に本年度は,ポートフォリオ評価法とメタ認知との関連について理論的に考察し,ポートフォリオ評価法を用いた数学授業において,メタ認知能力を取り入れた評価の枠組みを検討した. 授業実践とその評価については,さらなる実践を通して研究が必要である.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2002年 
    代表者 : 岡本 真彦; 西森 章子; 三宮 真智子; 加藤 久恵
     
    研究1では,(1)数学学習コンテンツ6領域の間で、日常的有効性認知(日常的に有効であるとする認知)に違いがあるのかどうか、(2)数学学力と日常的有効性認知及び有効場面の産出数との関連性について検討し,有効性の認知は学習領域によって異なり、「計算」及び「表とグラフ」は、他領域よりも有効性が高いと認知されている(図2)。学力低位群は、「論証」の有効性を最も低く認知しており、加えて同群は「論証」の有効場面の産出も困難であることが明らかにした。 研究2では、数学的思考から一般的思考への転移可能性をより精緻に検討するために、数学学習内容の理解度の指標を知識構造とし、一般的思考を科学的思考に限定した形で、学習者の知識構造と科学的思考と関連性を検討し,数学の学力が同程度であっても,数学的思考の知識構造が精緻な生徒の方が,科学的思考においても多様な視点を取りうることが明らかになった。 研究3では、思考力を形成する教授方略の抽出を試みるとともに、その教授方略と数学教師の数学学習内容の理解度との関連性を検討したが,数学学習内容の理解度と教授方略との関連性は明らかにできなかった。その原因は、学習単元の導入場面に即して授業プランを作成させたことにより、授業プランにおける教師の意図が知識定着に限定されてしまい、思考を導くような教授方略が抽出できなかったことにある。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 勝美 芳雄; 加藤 久恵; 高澤 茂樹; 重松 敬一
     
    特定の児童の小学校中学年の算数作文の事例を分析し,2年間のメタ認知の発達変容について次のような知見を得た。 1 メタ認知的知識の量的増大 算数作文の記述から,この児童のメタ認知的知識を特定できた数は,3年生から4年生への学年進行にともなってほぼ1.5倍に増加した。 2 メタ認知の質的変容 (1)算数作文の約7割は,授業で自分は理解できたかどうかを問い直す記述である。この繰り返しは,メタ認知的思考のきっかけとなる自分自身へのモニター(メタ認知的技能)の強化になると考えられる。 (2)学年進行に伴って,問題解決の方略に関するメタ認知的知識として,他者(教師,他の子供)への関心の記述が増えてくる。 (3)また、学年進行に伴って,自分の問題解決の特性に気付き,今後の目標を掲げるような自己に関するメタ認知的知識の記述が多くなる。 (4)以上のようなその時点で児童が学習している特定の課題についてのメタ認知の記述から,特定の単元では,類推などから生起されるより一般的な課題についてのメタ認知が記述される。そして,このような記述を促す要因の一つとして,赤ペン指導に代表される教師のメタ認知的支援がある。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 崎谷 眞也; 加藤 久恵; 國岡 高宏; 藤原 司
     
    1.認知パターンについての理論的研究と面接調査 先行研究を通して、認知パターンが算数・数学の学習の仕方や問題解決への取り組み方に影響を及ぼしていることが明らかになり,認知パターンが算数・数学学習の成否に大きく関わっているという知見を得た。そこで,こうした知見を児童・生徒に対する面接調査で確認するための手法として、学習カウンセリングを考案し,小学生と中学生に対してそれを実践した。その結果、理解のモニターの仕方とか自己制御の仕方といった学習方略に認知パターンが反映していることが分かった。 2.小・中学生に対する学習方略調査 先行研究と学習カウンセリングから得た知見をもとに,認知パターンを反映した26項目から成る数学の学習方略尺度を作成し,中学3年生に対し,数学の学習方略調査を実施した。その結果,26項目中18項目で成績上位・下位群間に有意差が見られ,認知パターンが成績に関係していることが明らかになった。また、男女間に認知パターンの顕著な違いがないことも分かった。 次に,数学の学習方略尺度をもとに,25項目から成る算数の学習方略尺度を作成し,小学6年生に対し,算数の学習方略調査を実施した。この調査でも,25項目中14項目で成績上位・下位群間に有意差が見られた。また,数学の学習方略尺度と算数の学習方略尺度は21の共通の項目を含んでおり,それらの比較分析を通して,小学生と中学生の学習方略に見られる認知パターンの違いについて考察した。その結果,小学生と中学生の学習方略に大きな変化はなく,彼らの認知パターンに顕著な違いがないことが分かった。いかにして認知パターンを改善し,それを学習方略の上達につなげていくかが今後の課題と言えよう。
  • 数学的問題解決におけるメタ認知に関する研究
  • Study on Metacognition in Mathematical Problem Solving

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