研究者総覧

小和田 善之 コワダ ヨシユキ

所属部署理数系教科マネジメントコース
職名教授
メールアドレス
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生年月日
Last Updated :2025/04/12

研究者情報

学位

  • 博士(工学)(大阪府立大学)

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J-Global ID

研究キーワード

  • DVーXα法   ゾル-ゲル法   電子状態   電子状態計算   分子軌道法   薄膜   TiO_2   ガラス構造   融液構造   テルライト系ガラス   高温ラマンスペクトル   光触媒   パターニング   光吸収   光化学反応   光起電力   TiO_2薄膜   クラスタ-モデル   遷移金属酸化物   安定化剤   電子線エネルギー損失分光   正極材料   エレクトロクロミック素子   第一原理計算   金属基板   撥水性   密着性   超イオン伝導体   酸素欠陥   結晶化速度   

研究分野

  • ナノテク・材料 / 無機材料、物性

経歴

  • 2013年 - 現在  兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授
  • 2007年 - 2013年  兵庫教育大学大学院学校教育研究科准教授
  • 1997年 - 2007年  兵庫教育大学学校教育学部助教授
  • 1993年 - 1997年  兵庫教育大学学校教育学部講師
  • 1988年 - 1993年  兵庫教育大学学校教育学部助手

学歴

  • 1986年 - 1988年   大阪府立大学大学院   工学研究科   応用科学専攻

所属学協会

  • DV−Xα研究協会   日本セラミックス協会   日本化学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 新版 はじめての電子状態計算
    足立裕彦; 小笠原一禎; 小和田善之; 坂根弦太; 水野正隆 (担当:共著範囲:)2017年11月
  • 自然科学のためのはかる百科
    渥美茂明ほか (担当:共著範囲:第2章 2.6 元素にわける)丸善出版 2016年
  • The DV-Xα Molecular-Orbital Calculation Method
    Y. kowada; K. Ogasawara (担当:共著範囲:Chapter 1 The DV-Xα Molecular orbital Calculation Method and Recent Development)Springer 2015年
  • 全固体電池開発の最前線
    辰巳砂昌弘監修 (担当:共著範囲:第8章 硫化物ガラス系固体電解質のイオン伝導性と計算化学)シーエムシー出版 2011年
  • はじめての電子状態計算
    小和田善之; 田中功; 中松博英; 水野正隆 (担当:共著範囲:)三共出版 1998年

講演・口頭発表等

  • 溶媒効果を考慮した分子軌道計算の試み  [通常講演]
    小和田善之
    第36回DV−Xα研究会 2024年09月 口頭発表(一般)
  • Li+イオン固体電解質の電子状態  [招待講演]
    小和田善之
    電池技術委員会第417回委員会(電気化学会) 2023年09月 口頭発表(招待・特別)
  • Li イオン固体電解質の水分子との反応性と第3成分元素の添加効果  [通常講演]
    小和田善之
    第35回DV−Xα研究会 2023年09月 口頭発表(一般)
  • DV−Xα計算支援環境 on Mac の開発  [通常講演]
    小和田善之
    第34回DV−Xα研究会 2022年09月 口頭発表(一般)
  • 硫化物系 Li+イオン固体電解質表面に吸着した水分子の電子状態  [通常講演]
    小和田善之
    第34回DV−Xα研究会 2022年09月 口頭発表(一般)
  • Electronic state of sulfide-based sodium ion conducting solid-state electrolytes  [招待講演]
    Y. Kowada; Y. Akaki; A. Hayashi; M. Tatsumisago
    Pacifichem 2021 2021年12月 口頭発表(招待・特別)
  • Li2S-P2S5系固体電解質表面への水分子の吸着と反応性  [通常講演]
    小和田善之
    DV−Xα研究会 2021 2021年08月 口頭発表(一般)
  • 全固体リチウムイオン電池材料の化学結合状態と電子遷移スペクトル  [招待講演]
    小和田善之
    関西分析研究会 2019年12月 口頭発表(招待・特別)
  • Electronic state of sulfide-based alkali-ion conducting solid-state electrolytes applied to all-solid-state secondary batteries  [招待講演]
    Y. Kowada; Y. Akaki; A. Hayashi; M. Tatsumisago
    The 7th International Conference on DV-Xα Method (IDCM) 2019年09月 口頭発表(招待・特別)
  • 硫化物系Na+イオン伝導体中の伝導イオンの電子状態  [通常講演]
    小和田善之; 赤木恭和; 林晃敏; 辰巳砂昌弘
    粉体粉末冶金協会2019年度春季大会 2019年06月 口頭発表(一般)
  • Electronic state of sulfide-based solid-state electrolytes applied to all-solid-state lithium ion secondary batteries  [招待講演]
    Yoshiyuki Kowada
    22nd International Conference on Advanced Materials and Simulation 2018年12月 口頭発表(招待・特別)
  • 第3成分を添加したLi2S-P2S5系固体電解質の電子状態  [通常講演]
    小和田善之; 林晃敏; 辰巳砂昌弘
    第31回DV−Xα研究会 2018年08月 口頭発表(一般)
  • 撥水性・滑油性シリカゲル薄膜表面の電子状態  [通常講演]
    清水友理; 小和田善之
    第31回DV−Xα研究会 2018年08月 口頭発表(一般)
  • pH 指示薬含有シリカゲル薄膜の作製とpH 応答性  [通常講演]
    友清裕亮; 小和田善之
    日本理科教育学会第67回全国大会 2017年08月 口頭発表(一般)
  • 撥水性・滑油性シリカゲル薄膜の作製と表面の電子状態  [通常講演]
    清水友理; 小和田善之; 栃下玲奈
    第30回DV−Xα研究会 2017年08月 ポスター発表
  • Li3PS4 固体電解質の電子状態と電極反応過程の解析  [通常講演]
    小和田善之; 林晃敏; 辰巳砂昌弘
    第30回DV−Xα研究会 2017年08月 口頭発表(一般)
  • Theoretical Analysis of XPS and XANES of the LiNbO3 film by the DV-Xα method  [通常講演]
    Yoshiyuki Kowada; Akiko Nakao; Atsuhi Sakuda; Tomonari Takeuchi; Keisuke Yamanaka; Toshiaki Ohta
    The 21st International Conference on Solid State Ionics (SSI-21) 2017年06月 ポスター発表

MISC

受賞

  • 2018年08月 DV−Xα研究協会 功績賞
     「新版 はじめての電子状態計算」の出版と講習会によるDV−Xα法の普及活動 
    受賞者: 坂根弦太;足立裕彦;小笠原一禎;小和田善之;水野正隆
  • 2013年08月 DV−Xα研究協会 学術賞
     DV−Xα法の無機機能性材料の電子状態解析への応用 
    受賞者: 小和田善之
  • 2009年08月 DV−Xα研究協会 功績賞
     DV−Xα法の発展期から現在に至る計算法の普及およびガラス研究への適応による手法の深化 
    受賞者: 小和田善之
  • 1998年01月 日本セラミックス協会 第52回進歩賞
     DV−Xα法による新規ガラスの電子状態の解明と構造解析 
    受賞者: 小和田善之
  • 1997年06月 日本化学会 第72春季年会講演奨励賞
     
    受賞者: 小和田善之
  • 1995年08月 DV−Xα研究協会 奨励賞
     
    受賞者: 小和田善之

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2003年 
    代表者 : 田中 功; 小和田 善之; 小笠原 一禎; 西谷 滋人; 足立 裕彦
     
    本班究のねらいは第一原理のみに基づいた量子化学計算により,構造欠陥や界面に基づいた損失のない場合の電池電圧や容量といった本質的な電池特性を算出し,原子配列や組成との関連性を理解することにある. 本年は,第2班との密接な連携のもとで,Mn系スピネルでの酸素欠損型欠陥のエネルギーを詳細に検討した.手法としては,構造最適化の精度が高く,かつ効率の良い平面波基底・擬ポテンシャル法を用いた.この酸素欠損型欠陥は,電池の寿命などの動的特性に大きな影響を持っていることが実験的に知られていたが,その原子論からのメカニズムは知られていなかった.本研究の結果,世界で初めて,Mn系スピネルでの酸素欠損型が酸素空孔ではなく,格子間金属によるものであることが判明した.これは,第2班での密度測定や原子拡散の実験結果と良く合致する.X線吸収スペクトルの解釈のための多電子系第一原理計算プログラムを開発し,第2班で得られた実験結果の解釈を行った.その結果,LiNiO2からLiのデインタカレーションに伴う電子構造変化は,従来考えられていたようなNiの酸化によるのではなく,酸化物イオンが酸化することによることが明らかにされた.さらに第1班,第2班との連携のもと,固体電解質中でのLiの拡散メカニズムを決定する素因子を理解するための計算を行った. 計算結果は,他班の実験グループと共有し,分光実験の結果の解釈や,新規材料探索に応用できる体制になっている.
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 小和田 善之
     
    本研究の目的は、吸収端が250 300nm付近となるため、光触媒や光起電能の発現に、紫外光が必須であるTiO_2薄膜について、屋内外で、より効率的に光反応を起こすために、その可視光領域における光吸収の増感を検討することであった。このような増感剤添加により得られるTiO_2薄膜における光機能性は、TiO_2膜と添加した色素あるいは遷移金属イオンの両方の電子状態により発現し、そのメカニズムを定量的に解析するために、TiO_2膜自体のみならず、添加された色素あるいは遷移金属イオンの電子状態を同時にかつ正確に求める必要があるため、経験的なパラメーターを全く用いない、いわゆる第一原理分子軌道計算法の一つであるDV Xα法を用い、その電子状態を算出した。 まず、有機-無機複合TiO_2薄膜の作製には、Tiアルコキシドに対してキレート環を形成する有機物の添加が有効であることから、様々なβ-ジケトンが配位したTiアルコキシドの光反応性について検討を行った。その結果、置換基の共鳴系を長くすると、HOMO-LUMO間のエネルギー差が小さくなること、また、光を吸収した時に電子が主に遷移すると思われるLUMO付近の軌道は、キレート環内のC-Oに関する反結合性の成分を含む軌道であることがわかった。このことから、用いるβ-ジケトンの共鳴系の長さを調節することにより、任意の波長に吸収をもたせることができる可能性のあることが明らかになった。また、TiO_2中に種々の不純物を添加したモデルについて考察した結果、遷移金属イオンを添加した場合は、不純物による準位が極めて局所的であり、光起電力など物性の可視領域化には有効でないことがわかった。また、アニオンを置換したほとんどの場合、酸化チタンのバンドギャップには変化が見られなかった。このような中で、Pイオンでチタンサイトを置換したモデルでは、伝導帯を形成する新たな準位がTiO_2のバンドギャップ内に現れること、またNイオンを添加した場合にのみ、HOMOのエネルギーが上昇し、バンドギャップが小さくなることを見いだした。これらの成果については、日本セラミックス協会2001年ガラス討論会および2002年春季年会において発表を行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1994年 -1995年 
    代表者 : 南 努; 近藤 繁雄; 棚橋 一郎; 町田 信也; 忠永 清治; 辰巳砂 昌弘; 小和田 善之
     
    本研究では、結晶材料と非晶質材料を複合化することによって、両者の特徴を生かした新しいタイプの超イオン伝導材料を創製し、その生成機構やイオン伝導機構を明らかにするとともに、全固体二次電池やエレクトロクロミック表示素子、電気二重層キャパシターなど、種々の電気化学素子への応用を図ることを目的としている。本研究で得られた成果を以下に示す。 1 AgIを多量に含む融液を超急冷することにより、α-AgIをガラスマトリックス中に分散した複合体を作製した。この複合体は、室温で極めて高いイオン伝導度を示し、伝導の活性化エネルギーは、α-AgIと超イオン伝導ガラスの中間の値を示すことがわかった。 2 AgIとガラスマトリックスからなるメゾスコピック複合体の生成プロセスを理解するために結晶化の速度論的検討を行った。その結果、α-AgIの核は、その数を増すことなく3次元的に成長する結晶成長機構を有し、活性化エネルギーは、通常の酸化物系のガラスよりも小さい値をとることがわかった。 3 種々のプレンステッド酸をシリカゲルにドープした複合体を作製した。HClO_4,WPA,H_2SO_4,H_3PO_4をドープした場合に、室温において、10^<-4>〜10^<-1>Scm^<-1>と高い伝導性を示すバルク状複合シリカゲルおよび複合シリカゲル薄膜が得られた。高い伝導性を示したドーパントは、H_2Oとの相互作用が強く、酸性度が高い電解質であることが分かった。 4 HClO_4をドープしたシリカゲル薄膜をWO_3を着色層とするエレクトロクロミック素子の電解質に応用したところ、良好な着消色特性が得られた。 5 H_3PO_4をドープした複合シリカゲルの赤外吸収スペクトルを測定したところ、H_2Oの吸着量が多いほど、オルトリン酸に帰属されるピークの強度が増し、それに伴って伝導度も向上した。添加したリン酸はオルトリン酸の状態でゲル中に安定に存在し、プロトン伝導に有利な水素結合のネットワークを形成しているものと思われる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1993年 -1993年 
    代表者 : 小和田 善之
     
    テルライト系ガラスは、高屈折率、高熱膨脹率、低融点などの特性を示すことから、近年様々な分野での応用が期待されているニューガラスのひとつである。このガラスは対称性の低い構造単位であるTeO_4三方両錐構造や、TeO_3三方錐構造からなる特異なガラス構造を持つと言われており、その構造の詳細についても興味がもたれている。本研究では高温ラマンスペクトルを用いることにより、種々の第二成分を含むテルライト系ガラスの結晶化及び融解時の構造変化について検討した。また、DV-X_クラスター法によりテルライト系ガラス中の各種構造単位の電子状態を検討した。その結果、___2,___2,___2,WO_3などを第二成分として含む系において、加熱時にガラス転移温度以下の温度域において、ガラス中の非架橋酸素を含むTeO_3三方錐構造の存在比が増加するという一般的なガラスでは観測されない特異な構造変化が生じることがわかった。また、結晶化に伴い、ラマンスペクトルに見られるピークの半値幅は大きく減少し、この結晶が融解する際には、非架橋酸素を含むTeO_3三方錐構造の存在比が室温のガラスに比べ非常に大きくなることがわかった。通常のガラス生成系では、室温におけるガラスと対応する融液の構造はよく類似すると考えられるがテルライト系では融液とガラスの構造が異なることがわかった。また、DV-X_クラスター法による計算の結果、テルライト系ガラスを構成する構造単位であると考えられているTeO_4三方両錐構造では、Teとの結合距離の長いアキシャル位置(O_)と距離の短いエクアトリアル位置(O_)の2種類の酸素が存在するが、Te-O_はTe-O_に比べ結合強度を示す結合次数が極端に小さく、テルライト系ガラスがO_-Te-O_からなる三角形の分子状構造を単位とするいわゆる分子結晶のような構造をとることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1992年 -1992年 
    代表者 : 足立 裕彦; 小和田 善之
     
    最近,ガラスの生成法としてゾル・ゲル法やCVD法などの新しい方法が開発され、従来とは異なる機能性をもつガラスが生成可能となり注目されている。これら新しい機能性ガラス,探索は実験的研究に加えて理論面からの研究が不可欠である。本研究では新しい機能性を有する,SiO_2系ガラスやP_2O_5系ガラスの電子状態を理論的に理解し,新しい機能性ガラスの材料設計の指針をつくることを目的としている。 本年度はまず,SiO_2系およびP_2O_5系ガラスのモデルクラスターSiO_4^<4->,PO_4^<3->,SiO_2O_7^<6->,P_2O_7^<4->,Si_3O_9^<6->,P_3O_9^<3->などの分子軌道計算をdiscrete variational Xα法を用いて計算した。その結果(1)被占軌道と空軌道とのエネルギーギャップは重合が進みクラス4-が大きくなると,小さくなる。(2)XO_4^(X=Si,P)を結なぐ架橋酸素に起因する準位がO2Pバンドの下に限られる。(3)Siと非架橋酸素との結合は架橋酸素との結合より強く,また両結合とも重合が進むと強くなっていく。X=Pの場合も同様の傾向を示す。(4)両系ともイオン性は重合が進むと小さくなっていく。以上のことがわかった。 次にリン酸過剰の超急冷ガラスの構造を調べるため環状や枝状構造のクラスターを仮定して計算した結果,枝状クラスター中のリン一架橋酸素の結合はチェイン状やリング状のクラスターのものより弱く不安定であることがわかった。 またテルライドガラスの構造および電子状態を調べるため,高温のラマンスペクトルの測定も同時に行っている。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1990年 -1991年 
    代表者 : 足立 裕彦; 高野 幹夫; 小和田 善之
     
    種々の遷移金属酸化物中の金属イオンは様々な原子価を示し、それに伴う物性は多様で非常に興味深い。金属イオンのα軌道準位,α軌道関数と酸素の原子軌道関数との重なりによる原子間の相互作用などが複雑に関係し、その価電子状態はよく解明されていない。 本研究では遷移金属イオンを1〜数個含む金属酸化物クラスタ-の電子状態をDVーXα分子軌道法を用いて計算し、遷移金属イオンの価電子状態や結合性等について調べた。特にFe^<4+>やCu^<3+>などの高原子価イオンでは混合原子価状態が出現する傾向が強く、また興味深い物性を示すことが予想される。ペロブスカイト型Fe^<4+>酸化物では低温において2Fe^<4+>→Fe^<3+>+Fe^<5+>の不均化反応が起ると報告されているし、Cu^<3+>酸化物は高温超伝導体として知られている。これらの酸化物を表わすクラスタ-モデルの電子状態の計算を行った結果、Fe^<4+>酸化物については、メスバウア-効果など実験結果をよく説明できる結果が得られ、不均化反応が格子振動の凍結によって起るという仮定の確証が得られた。Cu^<3+>酸化物の場合、光電子スペクトルや磁気的性質は実験結果とよく対応する結果が得られた。いずれの場合も高原子価金属イオンの酸化物では、酸素からの電荷移行が極めて大きく、特徴的な電子状態を示すことがわかった。 さらに他の3α,4α,5α遷移金属酸化物のクラスタ-モデルの計算や、金属イオンの周りの酸素の配位数の変化、原子間きょりの変化に対する電子構造の変化についても調べた結果、高原子価金属イオンの価電子状態の特徴を側面から理解することもできた。 また別途ペロブスカイト酸化物を合成し、その物性測定なども行った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1989年 -1990年 
    代表者 : 南 努; 小和田 善之; 足立 裕彦; 町田 信也; 辰巳砂 昌弘; 峠 登
     
    本研究は、ZrOa,Al_2O_3,TiO_2,SiO_2などの単成分あるいは多成分被膜を金属基板に形成するためのプロセスの確立と、表面改質の応用を目的として行ったものであり、以下のような成果を得た。 1.金属基板へのSiO_2膜の形成において、出発原料としてSi(OC_2H_5)_4と同時にCH_3Si(OC_2H_5)_3を用いると、被膜を形成後も各種の加工が可務となることを見出した。また、金属基板を(クロム酸+硫酸)水溶液で処理することが、基板と被膜の密着性を向上させるのに効果的であった。 2.オクチル酸ジルコニウムを用いることにより、鋼板ヘZrO_2被膜を連続的に形成することが可能となった。さらに、被膜にフッ素を導入することにより、良好な撥水性を付与することができた。 3.Alのアルコキシドのように加水分解の速い原料は、βージケトンやアミン類で安定することができた。また、安定化の効果は溶媒の種類に依存することを見出した。 4.PbTiO_3ーPbzrO_3系強誘電性薄膜も、TiおよびZrのアルコキシドをアセチルアセトンなどで安定化することにより、大気中で作製することができた。これらの薄膜は優れた強誘電特性を示した。 5.MOーB_2O_3ーSiO_2系(M=Mg,Zn)あるいはP_2O_5ーB_2O_3ーSiO_2系パッシベ-ション膜は、作製するための条件を明らかにした。さらに、Tio_2ーSiO_2系膜はガラスの耐候性を大きく向上させることを見出した。 6.TiO_2ーSiO_2ゾルに有機高分子を添加すると、ゲル化時間が遅くなり、生成するゲル膜は柔軟になった。この膜にはスタンパ-を用いてサブミクロンオ-ダ-の微細加工が可能であった。 7.LiとTiのアルコキシンドとリン酸を用いて、イオン伝導性LiTi_2(PO_4)_3を低温で合成できた。一方、H_3PM_<12>O_<40>を含むシリカ膜は高いプロトン伝導性を示した。

その他のリンク

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