日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究期間 : 2003年 -2005年
代表者 : 河野 明; 深谷 賢治; 中島 啓; 加藤 和也; 森脇 淳; 濱中 裕明; 神山 靖彦; 國府 寛司; 浅岡 正幸
研究代表者と分担者濱中裕明は空間Xの非安定K群をホモトピー集合[X,U(n)]と定義し、その基本的な性質を研究した。この群は非可喚な不変量であり通常のK群と比較すると扱いづらい面があるものの、Adams e-invariantの情報を群自体に含んでいるなど多くのメリットがあることが濱中により証明された。研究代表者と濱中はこの群を用いてゲージ群の分類問題に取り組み次の成果を得た。
2次のCharn numberがkとk'の4次元球面上の主SU(3)束のゲージ群がホモトピー同値であるための必要充分条件は(24,k)=(24,k')である。
2次のCharn numberがkとk'の6次元球面上の主SU(3)束のゲージ群がホモトピー同値であるための必要充分条件は(120,k)=(120,k')である。
Gをコンパクト連結リー群とする。Gの自己ホモトピー集合は自然に群の構造を持つ。この群はGが単純で階数が2以上なら非可喚であろうとの予想が茨城大学の大嶋秀明氏によって立てられていた。研究代表者は大嶋氏と協力してこの予想を肯定的に解決した。濱中はnが5以上の時、SU(n)の自己ホモトピー群の巾零性を研究しそのnilpotent classが3以上であることを示した。代表者と濱中は京都大学の岸本大祐氏の協力の下でPU(p)の自己ホモトピー群のnilpotent classがp-2以上であることを証明した。このことによりnilpotent classが幾らでも大きくなる群が存在することが示された。
研究代表者と分担者神山靖彦はインスタントン数がいのSO(n)インスタントンモジュライ空間のcohomologyを決定した。
研究代表者は例外型リー群の表現の特性類について研究しその本質的な部分を決定した。