International Study of Cross-School Organisation Management and Leadership: How Does It Work Effectively?
日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
研究期間 : 2018年10月 -2022年03月
代表者 : 末冨 芳; 佐藤 博志; 植田 みどり; 大野 裕己; 田中 真秀
2019年度は、ロンドン大学との共同研究によって、日本とイギリスとの Cross School Organisation/Multi Schools Organisation(CSO,MSO複数学校の組織)について、導入経緯・リーダーシップの所在を中心としたフレームを組み立て、ケーススタディを日英両国において蓄積した。
共同調査、分析作業を経て、CSO/MSOについて国際共通の分析フレームにむけて先導的発信を行うべく2019年8月にWorld Education Research Associationにて報告を実施した。
そのシンポジウムにおける実績の概要は以下の通りである。
MSOとは、複数学校のネットワークであり、ある目的やミッションを共有するための特定の組織を有すること、と定義した。比較のメインターゲットは英国のMulti Academy Trust (MAT) と日本の学校地域連携(NSC) である。両国とも中央政府が、MSO政策を義務教育の革新のために推進している。
我々の3年間の調査を通じて、いくつかのケースでは校長や学校理事はMSOの中で目的やリーダーシップを喪失しており、その理由としてマクロ改善モデルやリーダーシップモデルの欠如がある。この状況の中で、MSOのコンテクストや構造、複数学校の間の実際のリーダーシップやマネジメントが分析される必要があり、以下の視点からの分析を実施した。(1)なぜ日英のMSPはリーダーシップとイノベーションの視点から、課題であるのか。(2)MSOの目的は何であり、リーダーたちはどのようにMSOと効果的な連携を作れているのか、いないのか。(3)MSOはどのように効果的に複数学校をマネジメントできているのか、いないのか?日英の共通点と違いは、学校経営とリーダーシップの理論にユニークな知見を提供するであろう。