研究者総覧

山口 忠承 ヤマグチ タダツグ

所属部署理数系教科マネジメントコース
職名教授
メールアドレス
ホームページURL
生年月日
Last Updated :2025/04/12

研究者情報

学位

  • 博士(工学)(2001年12月 九州大学)

J-Global ID

プロフィール

  • 兵庫教育大学 教授

研究キーワード

  • 科学教育   有機光化学   

研究分野

  • 人文・社会 / 科学教育 / 科学教育

所属学協会

  • 英国化学会   アメリカ化学会   日本科学教育学会   日本化学会   

研究活動情報

論文

MISC

産業財産権

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 山口 忠承
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 山口 忠承
     
    有機化合物の化学構造を知るために中学や高校の現場で活用できる可搬型の核磁気共鳴装置(NMR)を活用し、化学実験中に核磁気共鳴装置を用いて有機化合物の化学構造を解析できる利点を生かして、化学的構造と物理的性質を関連づけることの可能な教材開発に作製と、解析結果を説明できるICT教材の開発を行う。開発した教材の教育効果について授業実践を通じて調べ、核磁気共鳴装置の実際の利用を促すための研修会を行う。 1年目は、2種類の可搬型核磁気共鳴装置を用いた化学実験教材の開発と、その化学実験教材を用いて授業実践を行った。そして、実験を説明するための提示教材の提示内容と手法について検討を行った。1つめの化学実験教材として、高校教科書記載のサリチル酸を原料としたサリチル酸メチル、アセチルサリチル酸の合成と小型核磁気共鳴装置による評価法の確立を行い、それに関する提示教材の作製を行った。実験の手法の1つとして、問題解決学習の手法を学ぶ学生実験の中で、融点測定や薄層クロマトグラフィーとともに有機化合物の化学構造を評価する1つの手段として授業実践を行った。2つめの化学実験教材として、グレープフルーツ等から抽出されるリモネンの実験の開発を行った。化学の教材開発を学ぶ大学院生の授業の中で核磁気共鳴装置を用いたリモネンの化学構造解析の実践を行った。いずれの実践も理科実験室で有機合成や精製などの操作は学生が行い、化学構造の解析は実験で得られた試料を用いて、あらかじめ準備した提示用教材と試料の測定結果を提示しながら教卓上で行うことができた。通常行わない構造解析の方法の説明であったが、装置を使う目的を事前に簡単に説明し、装置の原理とデータの読み方の説明を測定後に行うと実験への関心と理解が高まった。これに加えて、県内の高校の理科の先生方の研修会での研究を紹介する機会があり、研究課題に関して意見を聞くことができた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 山口 忠承
     
    実験に用いる材料が学校の現場で入手可能で小学生や中学生が理解できる科学教材開発を行った。フォトクロミック材料として、太陽光に含まれる紫外線検知に用いられている「忍者えのぐ」を用い、絵の具の混ぜ方や色の塗り方を通じて、色に関する児童生徒の興味関心の引き付け、物質の色の科学的な原理の説明につなげる研究を行った。また、学校の現場で入手できる薬品を用いて、市販のフリクションペンで用いられているインクのサーモクロミック反応を模倣したロイコ色素主体のサーモクロミックインクを開発した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究
    研究期間 : 2009年 -2010年 
    代表者 : 山口 忠承
     
    ジアリールエテン誘導体は光照射によって可逆に分子構造が異性化するフォトクロミック化合物である。ジアリールエテンの開環体構造には2種のアリール(複素芳香環)部位が置換可能であり、アリール部位の種類によって、開環体構造や閉環体構造のそれぞれのの構造の物理的性質や、光反応性が変化するものと考えられる。本研究では、新規な化学構造を有するオキサゾール誘導体やベンゾシロール誘導体の合成法の確立と、複素芳香環の光反応点炭素部位上の構造の変化に伴う、光反応性の変化や物性の変化に関する研究を行った。 1.オキサゾール誘導体の研究では、光反応点部位に直鎖アルキル置換基、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換基を有する誘導体を合成した。単結晶状態において、エチル、プロピル、ブチル置換基はフォトクロミック反応性を示した。単結晶状態においてフォトクロミック反応しないメチル誘導体においては、2分子で分子内水素結合の存在が確認され、結晶フォトクロミック反応が起こらないことを確認した。それ以外のアルキル基の場合はメチル誘導体でみられた水素結合は認められなかった。 2.新規のベンゾシロール環を有するジアリールエテン誘導体を合成し、溶液中と単結晶中におけるフォトクロミック反応性を確認した。ヘキサン中の閉環体の吸収スペクトルは、従来のベンゾチオフェンやベンゾフランの誘導体よりも短波長側で吸収した。 3.光反応点にフェニル長鎖アルキル基を有する誘導体において、過冷却溶融した無色の開環体の状態で紫外光照射すると、閉環体の生成により閉環体の単結晶が得られることが確認された。可視光照射すると結晶が溶け無色の開環体の液体が生成した。光照射によって液体、結晶が可逆に生成する反応系が構築できた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 山口 忠承; 入江 せつ子; 小嶋 崇夫; 山口 忠承
     
    放射線で発色された色彩に基づく線量計は、放射線治療や放射線による滅菌を確認する手段として広く用いられている。本研究では、高い放射線感受性を有するジアリールエテン誘導体の開発と応用を目的として研究を行った。ジアリールエテンは溶液中で微弱放射線照射により効果的に着色反応を示した。ポリマー媒体中の研究で無機や有機物質からなる蛍光性物質の添加は、放射線感受性を上げるために効果的であることが明らかになった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究
    研究期間 : 2008年 -2008年 
    代表者 : 山口 忠承
     
    ジアリールエテン誘導体は紫外光・可視光照射によって可逆に異性化するフォトクロミック化合物として知られている。ジアリールエテンの光化学的物性は、2箇所の芳香環の種類と2箇所のアルキル置換基の種類によって決まる。前年度の研究で、対称型直鎖アルキルベンゾフラン部位を有するジアリールエテン誘導体は、紫外光照射による光閉環反応性が向上した。また、アンチパラレル構造を有するジアリールエテンの割合が向上することが明らかになった。本研究では、非対称型直鎖アルキル置換基を有するジアリールエテン誘導体を合成し、フォトクロミック反応に基づく光閉環反応性について検討を行った。 非対称直鎖アルキル置換基を導入した結果、対称型直鎖アルキル置換基を導入した場合と比べて光閉環反応量子収率は大きく減少した。^1H NMRの測定の結果、アンチパラレル構造の割合が減少し、光閉環反応に寄与しない開環体ジアリールエテンのパラレル構造の割合の増大が確認された。比較のために行った非対称アリール誘導体で同種の直鎖置換基を導入した場合、光閉環反応性の減少は認められなかった。研究の結果、ベンゾフラン誘導体においては、直鎖アルキル置換基とベンゾフラン環の問に相互作用があり、アルキル置換基が対称な場合は、開環体のアンチパラレル構造の割合が増大するが当非対称なアルキル置換基の場合は、逆にパラレル構造を増す寄与があることが明らかになった。
  • 産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験
    研究期間 : 2007年 -2007年 
    代表者 : 山口 忠承
     
    可視光や紫外光照射によって可逆に色が変化する材料はフォトクロミック材料と呼ばれている。中でも、有機材料であるフォトクロミックジアリールエテン誘導体は光照射によって着色と消色の反応を1万回以上繰返すことの可能な材料である。現在、学術的研究は盛んであるがこの材料の実用化は進んでいない。本課題では、実用化に向けて紙媒体に親和性を持つ水溶性フォトクロミック染料への材料転換技術に関する研究を行う。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(S)
    研究期間 : 2003年 -2007年 
    代表者 : 入江 正浩; 深港 豪; 松田 建児; 山口 忠承; 小畠 誠也; 河合 壮
     
    究極の光メモリである「単一分子光メモリ」の実現をめざして、単一分子メモリに適した分子を設計・合成するとともに、単一分子の蛍光の光スイッチ計測を行い、単一分子光メモリの可能性を追究することを目的とした。光メモリ分子には、高効率光スイッチ機能、高い光耐久性、高い蛍光量子収率が要求される。更に重要なことは、単一分子の光反応の反応機構を明らかにすることである。具体的には次の成果を得た。 (1)蛍光発光部として蛍光量子収率が高いアントラセンあるいはペリレン誘導体をもちい、無蛍光性ジアリールエテンを光スイッチ部とする光メモリ分子を合成した。これらの分子では、分子内エネルギー移動により、蛍光強度が変化する。蛍光発光部と光スイッチ部とをアダマンチルスペーサーで分離することにより、高い蛍光量子収率と効率の良い光スイッチ機能を両立させることができた。分子内エネルギー移動により蛍光を消光する分子系では、読み出し破壊が起こる。この読み出し破壊を避けるため、分子内電子移動消光により蛍光強度が変化する光メモリ分子も設計・合成した。 (2)上記の分子を低濃度(10^<-11>M)に分子分散した種々の高分子フィルムを作製し、共焦点顕微鏡を用いて単一分子蛍光の光スイッチングを計測した。単一分子蛍光は、紫外光・可視光照射によりデジタル的に一段階でon/offスイッチすることが認められた。しかし、光スイッチの応答時間(量子収率に対応する)は一定でなく、変化することが観測された。 光反応の応答時間(on-timeあるいはoff-time)の分布を測定すると、ピークの現れることが認められた。ピークの現れる理由を理論的に検討し、励起状態、基底状態いずれにおいても複数の局所ミニマムが存在し、そのために、ピークが現れたと考察された。この現象は、単一分子蛍光計測ではじめて見出された現象であり、今後高分子媒体中での光反応に対して新しい見方を与えることになると思われる。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究(A)
    研究期間 : 2000年 -2000年 
    代表者 : 中澄 博行; 山口 忠承
     
    色素分子間の会合や分子内クロモフォアーの会合を制御した新規なスクアリリウム系色素の開発を目的として、複素環部分を非対称成分とする近赤外吸収スクアリリウム色素の合成、フェロセン部位を架橋部とする新規なスクアリリウム系色素二量体の合成、π-共役系を拡張したビススクアリル系色素の合成を行い、溶液、結晶、LB中での分子内、分子間会合について検討した。以下の結果が得られている。 1.スクアリリウム系色素の分子間会合を制御するために、ジュウロリジン-ベンゾインドレニウム系スクアリリウム色素を合成した。この色素は、X線構造解析から色素内の1個のカルボニル基に対して1個の水分子が水素結合し、ベンゾインドリン骨格のN-ヘキシル基と色素平面で1種の疎水場を形成し、この空間にベンゼン誘導体を内包する新たな包接機能を有し、J-会合体様の分子会合体を形成することが明らかとなった。 2.フェロセン部位を架橋部に、分子末端にアザクラウン部位を有するスクアリリウム色素二量体を合成し、その金属塩添加による分子内会合特性について評価した。その結果、12-アザクラウン化や15-アザクラウン化スクアリリウム二量体は、アルカリ土類金属イオンと1:1の金属錯体を形成し、この構造は、分子内H-会合体であることを明らかにした。 3.π-共役系を拡張したビススクアリル系色素は、N,N-ジアルキルアニリノ-3-ヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオンとオルトギ酸エチルとの反応により合成した。このビススクアリル系色素では、中央の2個のカルボニル基間で分子内水素結合が形成され、π共役が拡張され、その結果、吸収波長は830nmまで長波長シフトした。なお、この水素結合に関与しているカルボニル基は遷移金属イオンと錯形成し、選択的な波長変化(634〜771nm)を示すことが判った。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究(A)
    研究期間 : 1999年 -1999年 
    代表者 : 中澄 博行; 山口 忠承
     
    色素分子間の会合や色素分子内の水素結合部位を制御した新規なクロモフォアーの開発を目的として、複素環部分を非対称成分とする近赤外吸収スクアリリウム色素の合成、フェロセン部位を架橋部とする新規なスクアリリウム系色素二量体の合成、非対称複素環成分を有するπ-共役系を拡張したビススクアリル系色素の合成を行い、溶液中での分子内、分子間会合について検討した。以下の結果が得られている。 1.非対称アリル成分を有する近赤外吸収スクアリリウム色素として、ベンゾインドール、ベンゾピリリウムを複素環成分とする非対称型スクアリリウム系近赤外吸収色素を合成することができた。これらスクアリリウム色素は、いずれも希薄溶液中でも680〜780nmと740〜800nmの領域に二つの吸収帯を示し、それぞれのモル吸光係数は10^5程度あり、X線構造解析の結果から、溶液中でもJ会合型の会合が期待された。 2.フェロセン部位を架橋部とする新規なスクアリリウム系色素二量体は、フェロセンのジエステル誘導体を経て、スクアリリウム中間体との縮合反応から合成することができた。これらスクアリリウム系色素二量体は、各種スペクトルとの測定から分子内H会合型ダイマー構造の形成が示唆された。 3.π―共役系を拡張したビススクアリル系色素は、ビスクアリック酸のイソプロポキシド誘導体から合成した。この色素系でも、希薄溶液で従来認められなかった色素分子間の会合由来の吸収ピークが出現し、ビススクアリル系色素の複素環部分を非対称成分にすることで、この会合割合は大きく変化することが判った。

担当経験のある科目

  • 理科実験実地演習兵庫教育大学
  • 初等理科教育法兵庫教育大学
  • 基礎理科実験兵庫教育大学
  • 理科教材の開発と実践兵庫教育大学
  • 授業におけるICT活用兵庫教育大学
  • 初等理科I兵庫教育大学
  • 初等理科II兵庫教育大学
  • 理科教育法I兵庫教育大学
  • 中等理科内容論兵庫教育大学
  • 理科授業の理論と実践(粒子)兵庫教育大学
  • 化学実験兵庫教育大学
  • 化学II兵庫教育大学
  • 化学I兵庫教育大学

メディア報道

その他のリンク

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