日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究期間 : 2018年04月 -2021年03月
代表者 : 寺田 俊郎; 豊田 光世; 村瀬 智之; 一ノ瀬 正樹; 直江 清隆; 山田 圭一; 望月 太郎; 梶谷 真司; 齋藤 元紀; 上村 崇; 河野 哲也
本研究は、哲学教育を、高等教育における専門教育や教養教育の現場のみならず、初等・中等教育の現場や現代社会のさまざまな現場で活用する意義と方法とを研究し、現代社会の課題に応えることのできる哲学教育の基盤を構築することを目的とする。そのため、本年度は、以下の四つの課題に応えるべく、研究を遂行した。
課題1:初等・中等・高等教育において哲学教育がもちうる意義を明確にし、それに資する教育方法を開発し、その効果を明示する。
課題2:市民教育・社会教育において哲学教育がもちうる意義を明確にし、それを資する教育方法を開発し、その効果を明示する。
課題3:上記の哲学教育に必要とされる指導者の資質や能力を明らかにし、その養成方法を開発する。
課題4:哲学的対話を中心とする哲学教育と伝統的な哲学教育・研究との相互関係を明確にする。
以上の課題を果たすため、代表者・分担者各自がすでに実践している学校教育における対話を中心とする哲学教育(東京都内と被災地を含む日本各地)を継続するとともに 、広く同種の実践例およびそれらに関する理論的研究を調査した。特に、新設の教科「道徳」(小・中学校)については公開研究会(2月)を、新設の教科「公共」については日本哲学会で公開ワークショップ(5月)を開催した。また、海外の研究・実践者二名(ブラジル及びオーストラリア)を招聘して、公開講演会・ワークショップ・学校訪問(5月)を行った。また、カンボジアおよびシンガポールの実践を調査するとともに現地の研究者・実践者との交流を深めた(2月)。さらに、世界哲学会議(北京8月)で東アジアの哲学教育に関するラウンド・テーブルを主催して各地域の研究者と意見交換するとともに、その他の分科会にも積極的に参加して世界各地の実践者・研究者と研究交流を行い、豊富な知見を得た。