日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究期間 : 2017年04月 -2022年03月
代表者 : 井上 雅彦; 岡村 章司; 三田地 真実; 佐藤 美幸; 大久保 賢一; 小笠原 恵
本研究では強度行動障害のある児童生徒が多く在籍する知的障害特別支援学校を対象とし、米国を中心に研究されているスクールワイド(学校単位)の行動支援モデルであるSWPBISモデルを参考に、我が国の教育制度で実現するための要因を分析・マニュアル化し、実装研究と組み合わせ、知的障害特別支援学校における行動障害支援システムを開発することを目標とする。
研究協力校1校の全教員に対して、機能行動評価と介入に関するスキルとニーズ調査:Skills and Needs Inventories-Functional Behavior Assessment and Intervention (SNI-FBAI)、及びBehavior Problems Inventory (BPI)、講義形式による研修プログラムを実施した。また重篤な行動障害のある8事例を抽出し、行動面でのアセスメントと機能的アセスメントに基づいた定期的なコンサルテーションを実施した。結果、事前事後での行動障害尺度において統計的に有意な改善が認められ、シングルケースデザインによる効果量も有効な値が得られた。
また、学校現場での問題行動記録の困難性について、A-B-Cで行動を分析し記録するアプリケーション、行動の頻度を記録するためのアプリケーション、指導計画の立案の支援アプリケーションの3種類のアプリケーションを開発した。