日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2020年04月 -2023年03月
代表者 : 押田 貴久
2021(令和3)年度は,先の児玉科研の【追跡調査】を進めるとともに,外国語教育を中心に自治体独自カリキュラムの存続・廃止の実態を訪問調査を通じて確認した。
まず,文部科学省の資料より,教育課程特例校制度の現状を確認した。2021(令和3)年4月現在で,指定されている管理機関は207件,指定学校数は1,768校である。前年度の2020(令和2)年度4月時点で214件,1,868校となり,同じく2019(平成31)年4月時点では258件,2,434校であったことからさらなる減少傾向にある。特に小学校の外国語教育が本格実施となったことで,廃止する自治体・学校が多く見られる。中学校においても本格実施に伴う見直しが種々図られているが,「言語・コミュニケーション」と「地域学習」が今なお特別の教育課程として,設定されている。なお,存続・廃止の事例は地域の状況によって様々である。
例えば,宮崎県えびの市では,2008(平成20)年度から小学校全学年において「英会話科」を実施していたが,小学校低学年も予備時数(20時間)で実施することとなり,2020(令和2)年3月末で全小学校の指定を廃止している。しかし,中学校では学力向上の観点から英語科教員が「英語表現科」を担い,継続している。一方,沖縄県金武町では,小学校の「英語活動」は低学年においても継続的に実施しているが,学級担任とALTを中心に取り組まざるを得なかった中学校では「英会話科」を廃止している。
また,岩手県大槌町では,「ふるさと科」を教育課程特例校制度も一時利用したが,小中一貫教育の制度化により,現在では申請することなく,引き続き取り組んでいる。このように新学習指導要領以外の要因も考慮する必要があることが確認できた。
これらの訪問調査を踏まえ,質問紙調査の準備を進めた。