研究者総覧

市井 雅哉 イチイ マサヤ

所属部署臨床心理学コース
職名教授
メールアドレス
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生年月日
Last Updated :2024/10/01

研究者情報

学位

  • 文学修士

J-Global ID

プロフィール

  • 滋賀県大津市生まれ、千葉高校卒業
    1995年 阪神淡路大震災時、2004年 インド洋沖地震災害時、2011年 東日本大震災時にEMDRを用いての支援活動を行った。EMDRの普及、研究に尽力している。
    日本EMDR学会理事長


    公認心理師
    臨床心理士資格認定協会認定臨床心理士
    専門行動療法士
    EMDRIA Approved Consultant
    EMDR Institute Senior Trainer

研究キーワード

  • ストレス   トラウマ   不安   認知行動療法   眼球運動による脱感作と再処理法   Cognitive Behavior Therapy   Eye Movement Desensitization and Reprocessing   

研究分野

  • 人文・社会 / 臨床心理学

経歴

  • 2004年09月 - 現在  兵庫教育大学教授

学歴

  •         - 1994年   早稲田大学   文学研究科   心理学
  •         - 1994年   早稲田大学   Graduate School, Division of Letters
  •         - 1985年   早稲田大学   文学部   哲
  •         - 1985年   早稲田大学   Faculty of Literature

所属学協会

  • 日本不安症学会   日本EMDR学会   日本ブリーフサイコセラピー学会   日本カウンセリング学会   日本行動療法学会   EMDRIA   行動科学学会   日本心理学会   

研究活動情報

論文

書籍

講演・口頭発表等

MISC

受賞

  • 2024年03月 日本人間工学会 システム大会最優秀賞
     眼球運動がトラウマ記憶の再固定化に与える影響 ―記憶の種類に注目して 第31回日本人間工学会システム大会(システム大会最優秀賞受賞) 
    受賞者: 福井瑞葉;町田明佳音;市井雅哉;前田多章
  • 2023年07月 日本EMDR学会 大会発表優秀賞
     両側性左右交互の触覚刺激の速度が肯定的な記憶のイメージの鮮明度と感情の強度に与える影響 
    受賞者: 佐藤俊介;木村泰博;市井雅哉
  • 2023年03月 日本人間工学会 システム大会奨励賞
     EMDRにおける眼球運動の作用機序ー左右脳の活動変化に着目してー 
    受賞者: 柿木慎吾;榎原学人;市井雅哉;前田多章
  • 2015年08月 EMDR国際学会 優秀ポスター賞
     RDI(資源の開発と植え付け)手続きにおける両側性刺激の効果 
    受賞者: 市井雅哉;伊藤純;中島隆仁

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2026年03月 
    代表者 : 市井 雅哉; 椎野 智子; 金沢 徹文; 今村 明; 上田 英一郎; 菊池 安希子; 小坂 浩隆
     
    本年度(2022年度)は2023年度から2024年度にデータを収集するための準備作業を行った。 1.研究手続きの詳細を検討し、確定した。研究の実行可能性に鑑み、無作為化割付試験による2群の群間比較研究を、1群のみのオープントライアルに変更し、次なる無作為化割付試験のサンプル数確定のための効果値測定を主たる目的とした。サンプルサイズを20名へと変更した。研究実施機関の選定と、研究参加者の包含基準、除外基準の確定を行った。標準化された評価(CAPS-5(Clinician Administered PTSD Scale-5th version))の講習に研究者が参加した。評価質問紙として、PCL-5、BDI-Ⅱ、DES-Ⅱを用意し、他に、被験者への説明文書、同意書を作成した。唾液検体の保存のための冷凍庫を確保し、検体採取場所(評価実施場所)から冷凍庫までの運搬、冷凍庫での保存方法を確立した。 2.標準化された介入をデザインした。EMDR Instituteが作成したWeekend1 & 2トレーニングマニュアルを元に 、必要かつ十分な介入マニュアルを作成した。この中には、ターゲットを探すための標準的手続き及びツール、安全な場所を創造するための標準的手続き、ターゲットのアセスメントを標準化するためのツール、ターゲットを処理するための標準的手続き、を含めた。 3.研究代表者が所属する研究機関において、申請を行い、倫理審査を受け、承認を得た(2022-44)。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 市井 雅哉; 吉川 久史; 友田 明美; 上田 英一郎; 米田 博; 金沢 徹文; 中島 隆仁; 伊藤 純; リーズ アンドリュー
     
    (市井担当分)肯定的な内容に両側性の刺激を与えることが議論となっている。(研究1)30名の大学生らを対象に、RDIの手順で、速い眼球運動、ゆっくりの眼球運動、眼球運動なしの各条件を経験させた。どの条件でも鮮明度、感情強度ともに上昇した。また、注意が刺激に向きすぎないことが重要と思われた。(研究2)30名の大学生らを対象に、RDIの手順でSEM(遅い眼球運動)、STEC(遅い両側性の触覚刺激、閉眼)、IET(イメージ、閉眼)の各条件を経験させた。どの条件でも鮮明度、感情強度ともに上昇し、Holnsveldら(2011)の結果と一致しない。イメージが薄れた時の手続きの違いに帰せるのかも知れない。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2011年 -2013年 
    代表者 : 市井 雅哉; 吉川 久史
     
    EMDR実施中の脳機能部位、および自律神経系の変動パターンの特定を目的に、脳血流内の酸素濃度を24チャンネル光トポグラフィ装置で、自律神経系指標を皮膚伝導性・皮膚温度・指尖容積脈波・呼吸振幅によって、4名の被験者で測定した。EMDR前後で有意に臨床的指標は低下した。前頭葉付近、特に眼窩前頭皮質において、[oxy-Hb]が、外傷記憶の想起に伴い急激に増加、その後減少する様子が観察された。 また、安全な場所のイメージに水平方向の眼球運動がどう影響するかを大学生を用いて検討した。水平な眼球運動で、安全感や穏やかさの程度が低下し、眼球を動かさない条件において、イメージをより深く体験する傾向が上昇した。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2006年 -2009年 
    代表者 : 市井 雅哉
     
    肯定的なイメージ想起の方法として、感覚・知覚レベル想起と概念レベル想起を比較した結果、感覚・知覚レベル介入が概念レベル介入を上回り、抑うつ群の方が非抑うつ群より大きかった。抑うつ的な大学生で、肯定的な記憶・イメージが否定的な感情を緩和する効果は認知的再構成と同様に見られたが、それに眼球運動を付加することの効果は明らかではなかった。健康な大学生で肯定的な記憶、否定的な記憶へ眼球運動を付加すると心拍数は減少するが、感情の改善との関連は否定的な記憶への付加でのみ見られた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2002年 -2004年 
    代表者 : 市井 雅哉
     
    研究I 地域のボランティアによる3群で外部刺激への持続的注意を調べた。3群はPTSD群、高ストレス群、健常群である。PTSD群はPTSD症状と外傷経験ともに持っている。高ストレス群はPTSD症状はあるが、外傷経験はない。健常群はいずれもない。 (1)外傷体験を経験しているPTSD群は、外部刺激へ注意を持続させる数唱課題得点が健常群および高ストレス群よりも低く、健常群と高ストレス群は数唱課題得点に差はなかった。 (2)現在への注意の主観的得点がPTSD群は高ストレス群よりも低く、高ストレス群は健常群より低かった。外傷経験のみがこの違いを説明するとは言えない。 研究II 注意、自己没入、PTSD症状、抑うつ症状を含んだ質問紙データに重回帰分析を適用した。564名の健常成人を対象とした。結果、過覚醒症状が注意指標を説明し、注意指標が抑うつ症状を説明し、再体験(侵入)症状は抑うつ症状を説明した。 研究III 10名のPTSDクライエントに対して3回のEMDR治療前後で持続的注意指標を測定した。数唱得点、現在への注意得点ともに上昇した。 研究IV EMDR治療によって改善した一人のPTSDクライエントにおいて、心拍数、外傷症状、注意指標の変化、関連を検討した。結果として、治療初期においては、過覚醒、侵入の改善に伴って、数唱得点の改善、外傷記憶想起時の心拍数のセッション内の低下が見られた。治療後半は回避が問題となり、心拍数との関連は見られなかった。 以上から、PTSDと注意、認知指標の関連が認められ、注意、認知指標がEMDRの治療メカニズムの解明にも有効であることが示唆された。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2000年 -2001年 
    代表者 : 市井 雅哉
     
    大学学部生625名に、現在に影響を与えている過去の出来事、IES-R(改訂版出来事インパクト尺度)、治療希望有無の質問紙を実施した。有効回答は453名(男子、181;女子、264名;不明8名;平均年齢20.2(SD=1.77))で、性被害、近親者の死、交通事故、いじめ等深刻な出来事を報告していた33名をトラウマ群(治療希望は6名)、軽い出来事を報告していた420名を健常群としてt検定を行った結果、合計点と回避・麻痺の因子でトラウマ群が有意に高く、合計点25点以上(184名)でも回避・麻痺の因子でトラウマ群が有意に高かった。 性被害を受け複雑性PTSDが疑われる2名のクライエントに対して、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)を用いた治療を行い、治療中の左右の外耳道温、心拍数を継続測定した。 IES-R45前後の21歳女子大学生は、幼少期に母親から暴力的なしつけ、兄から性虐待を受けた。EMDR30回でさまざまな記憶の再処理を行い、47回の治療により症状は大きく改善した。さらに、(1)右の温度が左より高い(.25〜.39℃)、(2)左右とも施行後にかけて上昇する(左:.17℃、右:.32℃)、(3)セッションの進行につれ終了時の左の温度が高い傾向がある、(4)認知の妥当性が左右の外耳道温度や心拍数と関連があることがわかった。 IES-R43の35歳主婦は、阪神大震災後の不調として、子どもとの分離不安、頭痛、不眠等の症状を訴えた。治療への恐怖感が強く、17セッション目にようやく3回の性被害が語られ、性被害及び義父の実母への暴力の記憶などEMDR11セッションで治療したが、改善が見られないまま39セッションで治療中断となった。(1)右の外耳道温が左より0.25℃高い、(2)心拍数は施行前から後にかけて3拍低下し、(3)成功したセッションでは心拍数が低い(前:10.58;後:12.25の差)ことがわかった。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業 奨励研究(A)
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 市井 雅哉
     
    ゴキブリに対して強い恐怖感を持ち、そのきっかけとなる記憶が明確で、さらに治療を希望する女子大学生21人を無作為に統制群、逆制止群、EMDRの3群に振り分けた。実験の第1日目には3群にそれぞれの介入を約30分行い、その前後に様々な指標を測定した。介入は、統制群はマンガを読むなどして休憩してもらい、逆制止群は筋肉を弛緩させて、恐怖イメージを浮かべさせた。EMDR群は恐怖イメージに焦点を当てながら眼球運動を行った。さらに、1週間後の第2日目にフォローアップとして第1日目と同様の指標の測定を行った。測定した指標は、主観的な指標として、(1)その記憶の映像の鮮明さ、(2)映像に対する否定的な感情の強さ(SUD)、(3)望ましい認知を信じられる程度(voC)、(4)ゴキブリに関連した様々な課題をどのくらいできそうかというセルフエフィカシ-、(5)ゴキブリ入りのゴキブリ捕獲器を捨てる課題直前の状態不安(STAI-S)の上昇、生理的な指標としては、(6)ゴキブリ入りのゴキブリ捕獲器を捨てる際の心拍数の上昇、行動的な指標としては(7)ゴキブリ入りの捕獲器を捨てる際の様子であった。結果の分析はまだ継続中だが、これまでの分散分析では、(3)のvoCにおいて、EMDR群の1週間後の上昇が統制群より傾向として大きかった。1週間後に測定した(5)状態不安(STAI-S)の課題直前の上昇が、EMDR群において他の2群より傾向として小さかった。今後、セルフエフィカシ-、心拍数、行動評定のデータを分析する予定である。これまでのところ、ゴキブリ恐怖の低減に関してEMDR群が統制群や逆制止群より優れた効果を持つようである。1週間後のフォローアップの後からは、3群ともにEMDRによる治癒的介入を十分な改善が見られるまで最高3セッション継続し、大幅な改善をどの指標においても示した。今後、長期的な効果の維持を確認するために、半年後にフォローアップを行う予定である。

委員歴

  • 2018年 - 現在   日本心理臨床学会   国際交流委員
  • 2013年 - 現在   日本心理学諸学会連合   社員
  • 2007年 - 現在   日本不安症学会   評議員
  • 2005年 - 現在   日本EMDR学会   理事長   日本ブリーフサイコセラピー学会

社会貢献活動

  • 日本EMDR学会Weekend1トレーニング
    期間 : 2018年09月21日 - 2018年09月23日
    役割 : 講師
    種別 : 講演会
    主催者・発行元 : 日本EMDR学会

その他のリンク

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