日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2005年 -2007年
代表者 : 松浦 正史; 山崎 貞登; 森山 潤; 土井 康作; 淺田 茂裕; 有川 誠; 鹿嶋 泰好; 田口 浩継; 谷口 義昭
中学校技術科はものづくりを通して生徒の発達支援、すなわち人間形成の一端を担っている教科である。本研究は、小・中・高等学校一貫の普通技術教育を進めるため、教育課程を開発し、さらに具体的に教材を開発しようとするものである。研究分担は、大別して、小学校研究班,教育課程研究班、教材開発研究班,初等教員養成カリキュラム研究班に区分した。研究の内容は以下の通りである。まず,小学校研究班では,現在,正規の教育課程には位置づけられていない小学校でのものづくり教育を推進するため,「ものづくり教育カリキュラム」の開発,「簡単なロボット製作学習」の実践に取り組んだ。次に,教育課程研究班は,中学校技術科における「学習モジュール導入の試み」,ものづくり学習における動機づけの認知的要因の探索,「情報とコンピュータ」と総合学習との相互作用を生かした実践に取り組んだ。また,高校との関連性として,中等教育学校における技術科の実施状況の把握,高校教科「情報」に対する中学生の意識の分析にも取り組んだ。初等教員養成カリキュラム研究班は,大学の初等教員養成におけるものづくり教育の実践を展開した。これらの各班の研究を総合し,今後の小・中・高等学校一貫した普通技術教育の方向性を検討した。その他,教材開発班では,金属材料を用いたものづくり教材,PICを用いたロボット制御教材,小学生を対象とした簡単なロボット制御学習教材等を開発し,実践資料を作成した。これらの資料は,報告書の巻末資料として掲載されている。